右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
I Beat Cancer

癌が広く転移し手術はできなかったが、幸い分子標的薬が奏功した COURTESY OF REYNA SAVAGE
<残酷な告知と絶望から、家族のために闘い抜いて奇跡の生還を果たした。「治療不能の末期癌」と闘って、私が得たもの>
始まりは右肩の鈍痛だった。寝ている間にひねったか何かだろうと思っていたが、肩甲骨と首にも痛みが広がり、眠れないほどひどくなった。
数カ月後の2023年10月。とうとう我慢できなくなってカイロプラクターの元に行った。「ストレス性でしょうね」「心配ないでしょう」などと言われたが、私は心のどこかで分かっていた。何かがおかしい。はっきりさせないと!
カイロプラクターは整形外科に行くよう勧めた。X線検査では異常なし。理学療法を受けることになったが、痛みは悪化するばかりだった。
次に向かったのは神経科だ。痛みの深刻さを必死で訴えた結果、X線検査に加えてMRIもやってくれた。おかげで事情がはっきりした。右肺に異状な影があったのだ。
その後の胸部CTと生体検査で診断が下った。ステージ4の非小細胞肺癌。既に骨と副腎、さらに首から腹部にかけてのリンパ節にも転移していた。
このとき医師に言われたことを、私は決して忘れないだろう。「治療不能のステージ4の癌です。治癒は望めません。症状を抑えて、転移を遅らせるだけです」
毎日が授かり物のよう
世界が壊れるような衝撃を受けたが、それと同時に激烈な何かが体を貫いた。闘うしかない。家族のためにも。