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イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結は容易」

2025年06月15日(日)15時04分

 イスラエルとイランは14日夜から15日未明にかけて互いに攻撃を行った。イスラエルが世界最大級のガス田にも標的を拡大したことから、紛争がさらに拡大する恐れが高まっている。写真はイスラエルに向かうイランのミサイル。ヨルダン川西岸で14日撮影(2025年 ロイター/Raneen Sawafta)

[テルアビブ/ドバイ 15日 ロイター] - イスラエルとイランは14日夜から15日未明にかけて互いに攻撃を行った。イスラエルが世界最大級のガス田にも標的を拡大したことから、紛争がさらに拡大する恐れが高まっている。トランプ米大統領はイランに対し、米国のいかなる標的も攻撃しないよう警告する一方、紛争は容易に終結できると述べた。

トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「われわれがイランから何らかの形で攻撃を受けた場合、米軍の全戦力と威力がかつてないレベルで降りかかることになるだろう」と警告。「しかし、われわれはイランとイスラエル間の合意を容易に成立させ、この血なまぐさい紛争を終わらせることができる」とも述べた。合意に関する詳細には言及しなかった。

イスラエル軍は、14日夜にイランからさらにミサイルが発射され、迎撃対応をしていると述べた。また、首都テヘランの軍事目標を攻撃しているとも述べた。

イラン側によると、イスラエルが攻撃を始めた13日には78人が死亡し、14日はテヘランの14階建て集合住宅がミサイルで破壊され、60人が死亡した。

イランは13日夜にミサイルで報復攻撃を行い、イスラエルで少なくとも3人が死亡した。

14日夜にはエルサレムとハイファで空襲警報が鳴り響き、約100万人が防空壕に避難した。

イスラエル軍は15日未明、新たなミサイル攻撃の警告を発し、住民に避難を促した。テルアビブとエルサレムでは爆発音が響き渡り、ミサイルが空を横切り、迎撃ロケットが発射された。

イスラエルの救急当局によると、この日は複数の攻撃により、10歳の少年や20代の女性を含む少なくとも7人が死亡、140人以上が負傷した。

イスラエルメディアによると、テルアビブ南部の都市バトヤムでは攻撃により、少なくとも35人が行方不明となっている。緊急当局はミサイルが8階建ての建物に着弾したとし、多くの人が救助された一方で、死者も出たと述べた。

イランが13日に報復攻撃を開始して以降、これまでにイスラエルでは少なくとも10人が死亡、300人以上が負傷している。

イランは、テヘランの石油施設や近郊の精油施設が攻撃を受けたと発表した。イランのタスニム通信は15日、イラン国防省の庁舎も攻撃を受け、軽微な被害が出たと報じた。

イランの革命防衛隊は、ミサイルと無人機(ドローン)がイスラエルのエネルギーインフラと戦闘機向けの燃料施設を攻撃したと述べた。イスラエルが敵対行為を続ければ、テヘランの攻撃は「より激しく、より広範囲に及ぶ」とも警告した。

15日にオマーンで開催される予定だった米国とイランの核協議は、イランのアラグチ外相がイスラエルの攻撃を受けている間は協議できないと述べ、中止された。米当局者は交渉への関与を続ける考えを示し、イランが直ちに交渉のテーブルに着くことを期待していると述べた。

タスニム通信によると、イスラエルの攻撃でイラン南部沖合にある世界最大級のガス田、サウスパース油田の生産を一部停止したという。同油田はイランで生産されるガスの大半を供給している。

また、イラン議会の安全保障委員会委員であるエスマイル・コサリ元将軍は14日、イランはホルムズ海峡の閉鎖について検討していると述べた。

ロイター
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