コラム

バイデンの家族や側近が隠蔽した認知力問題...詐欺まがいの手口に手を染めた罪

2025年08月01日(金)09時55分
バイデン

議会でオートペン問題を追及するクルーズ共和党上院議員(6月) TOM WILLIAMSーCQ ROLL CALLーSIPA USAーREUTERS

<バイデンが移動するときは側近が取り囲んでよろめきを隠し、スピーチは平易な言葉遣いに変え......巧妙な手口でごまかし続けた>

トランプ米大統領は最近再び、バイデン前大統領が在任中に自動署名装置「オートペン」を使用していたと主張し、民主党への批判を強めている。バイデンの認知力低下を側近が隠蔽し、大統領令や恩赦の一部に大統領に代わって署名したため無効だというのだ。

バイデンの認知力騒動があぶり出すのは、あらゆる人間が持つ、地位を欲する強い思いだ。地位を失うことへの不安や不満は、トランプ時代のアメリカを説明する最大のキーワードと言えるかもしれない。トランプ支持層の行動やトランプ政権の関税政策も、背景にはこの要因が働いていると指摘することもできそうだ。


そして、地位への強い欲求という要因は、昨年の米大統領選でトランプがアメリカ史上最も驚くべき政治的復活を成し遂げ、4年ぶりに大統領に返り咲くことに成功した最大の理由でもあったようだ。

昨年の大統領選に臨んでいたとき、バイデンの周辺は、高い地位を獲得して、その地位を維持したいという強烈な欲求にとらわれていた。バイデンの肉体と認知力が衰えていることは明白だったが、家族や側近たちは手の込んだ対策や巧妙なごまかしを駆使して、バイデンを大統領選の候補者として押し立て続けた。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

高市首相「首脳外交の基礎固めになった」、外交日程終

ワールド

アングル:米政界の私的チャット流出、トランプ氏の言

ワールド

再送-カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブル

ワールド

北朝鮮、非核化は「夢物語」と反発 中韓首脳会談控え
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 10
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story