コラム

バイデンの家族や側近が隠蔽した認知力問題...詐欺まがいの手口に手を染めた罪

2025年08月01日(金)09時55分

その結果、バイデンが民主党の大統領候補として再選を目指すことになった。結局は途中で撤退に追い込まれたものの、その時点で民主党には不人気なハリス副大統領(当時)を代わりの大統領候補に据える以外の選択肢が残されていなかった。そのおかげで、トランプはもっと強力な民主党候補と戦わずに済んだ。

加えて、バイデンの衰弱を無理やり隠そうとしたことで、民主党のイメージが大きく傷ついたことも見過ごせない。有権者は、民主党は信頼できないというトランプの主張に説得力を感じ始めた。なにしろ民主党は、トランプと共和党が不誠実で遵法精神を欠くと批判していたくせに、自分たちも詐欺的な行為に手を染めていたのだ。


当時、バイデンの衰弱は疑問の余地がなく、周辺は、もし再選できた場合には車椅子を使用してはどうかと公然と話し合っていた。そして選挙戦の間は、大統領の衰弱を隠すために念入りに対策を講じた。

例えば、ホワイトハウスの中庭に大統領専用ヘリコプターで降り立った後、建物内に移動するときは、バイデンの周囲を側近たちで取り囲むようにしていた。よろめいたときにすぐに体を支えられるようにすることと、おぼつかない足取りをメディアのカメラに撮られにくくすることが狙いだ。また、スケジュールを大幅に減らし、スピーチ原稿も平易な言葉遣いに変更し、一つ一つのセンテンスも短くした。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド、重要鉱物で4カ国と協議 ブラジルやカナダ=

ビジネス

仏ケリング第4四半期、予想より小幅な減収 グッチに

ビジネス

ホンダ、発行済み株式の14.1%の自社株消却へ 資

ビジネス

ホンダ、通期営業益・純利益とも予想を維持 売上収益
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 4
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story