コラム

西半球をアメリカの庭に...トランプが提唱する「ドンロー・ドクトリン」は現代の帝国主義なのか?

2026年01月15日(木)14時00分
モンロー・ドクトリンを揶揄するイギリスのマンガ

ヨーロッパとアメリカの「相互不干渉」を主張した外交原則は孤立主義ともいわれた(モンロー・ドクトリンを揶揄するイギリスのマンガ、1903年頃) ILLUSTRATION BY HULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES

<国家主権よりアメリカの利益を優先するトランプのドクトリンは、中南米に平和か隷属、どちらをもたらすのか>

ドナルド・トランプ米大統領は203年前のアメリカの外交方針を復活させ、その名称に自らの名前を重ねている。

【動画】トランプの唱える「ドンロー・ドクトリン」とは?

1823年、ジェームズ・モンロー大統領は、西半球(南北アメリカ大陸)におけるヨーロッパ列強の関与を強く牽制する「モンロー・ドクトリン」を打ち出した。新興大国だったアメリカは、自国の裏庭を完全に支配することによってのみ、世界的な大国の地位を主張できると考えたのだ。


トランプは、ベネズエラでニコラス・マドゥロ大統領を拘束した軍事作戦について語った際に自分の名前と掛け合わせた「ドンロー・ドクトリン」に言及。国務省は即座に反応して宣言した。「ここは私たちの半球だ。トランプ大統領は私たちの安全が脅かされることを許さない」

19世紀にアメリカはこの半球支配の考えの下、メキシコで皇帝マクシミリアンを引きずり降ろし、キューバのスペインからの独立を画策し、プエルトリコ、グアム、フィリピンを征服して支配を獲得した。

20世紀初頭にセオドア・ルーズベルト大統領は、ラテンアメリカでヨーロッパの債権者が債権回収のために武力行使をちらつかせると、アメリカは「国際警察権」を行使できると主張した。このモンロー・ドクトリンの拡大解釈は、ドミニカ共和国、ニカラグア、ハイチへの軍事介入や、キューバ、グアテマラ、チリでのクーデター工作と支援を正当化した。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科、社債20億元の猶予期間さらに延長提案 9

ビジネス

FRB攻撃で経済見通しにリスク、ECBは警戒必要=

ビジネス

米上院銀行委、仮想通貨法案の審議延期 コインベース

ワールド

IMF専務理事がキーウ訪問、ゼレンスキー氏らと会談
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 6
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 7
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 10
    高市首相の「解散総選挙」決断で、日本経済はどうな…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story