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なぜ世界は再び1929年に似てきたのか──英雄願望に取り憑かれた指導者たち
仕事を求めてデモを行う失業した独身女性たち(ニューヨーク、1933年)Everett Collection -shutterstock-
<過剰な野心を抱き、自分を歴史の英雄になぞらえる(高齢の)リーダーたちが、2026年の世界を100年前と同様の混乱に陥れるのか>
予測不能な1年を前に身構えているあなたに、おすすめの本がある。アンドリュー・ロス・ソーキンの新著『1929』(未邦訳)だ。あの世界大恐慌の発火点となった1929年の株価大暴落と、その背後にうごめいていた人物群像に焦点を当てた力作だが、興味深いのは今の時代との比較だろう。
著者によれば、ほぼ100年前に金融システム崩壊の引き金を引いたのは強欲で肥大化した野心を抱く自信過剰な男たち(とりわけ大銀行家のチャールズ・ミッチェルと自動車王ウィリアム・デュラント、そして当時のアメリカ大統領ハーバート・フーバー)の愚行だ。
今が新たな大恐慌の前夜かどうかは別として、この顔触れからすぐに連想されるのはオープンAIのサム・アルトマンとテスラのイーロン・マスク、そして大統領のドナルド・トランプだ。
しかもこの男たちの言動は、金融システムのみならず世界全体の脅威となり得る。私自身、欧州出張から戻って国内のニュースを見るたびに思わず息をのむ瞬間が確実に増えている。
ソーキンは主な登場人物の性格や個性を軸に1929年の出来事を描いているが、その手法は2026年を予測する上でも有効だ。今の世界で起きているさまざまな出来事に共通する背景は何か。それは主な登場人物が自分を、何百年も前の偉人になぞらえている事実である。
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