最新記事
TDL

日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...それでも「売上高1兆円戦略」に綻びが見えない理由

2026年2月5日(木)15時52分
中島恵 (明治大学 経営学部兼任講師*DIAMOND Onlineからの転載)
ディズニーランド

musicphone -shutterstock-

<日経平均株価は初の5万4000円台を付けたというのに、東京ディズニーランド・シーを運営するオリエンタルランド(OLC)の株価は低迷...>

インバウンド関連銘柄であり、中国による日本渡航自粛の影響が指摘される一方で、OLCの実力が過小評価されていないか、経営戦略を分析します。(明治大学経営学部兼任講師 中島 恵)

ディズニーランドのOLC株投資で初めての配当金!でも1株たった7円...

2025年8月、オリエンタルランド(OLC)の株を100株購入しました。その後、12月に初めての配当金と株主優待チケット(東京ディズニーリゾート1日チケット)を手に入れ、株主になった実感を得ています。

ところがこの1日チケットは、通常の株主優待チケットと違って使用期限が8月末までです。これだと夏休みで非常に混雑し、かつ猛暑が予想される時期を避けるためには、7月中旬までに行かなければいけません。


初めて振り込まれた配当金は、1株あたり7円。100株保有なので700円で、約20%の税金を引かれます。源泉徴収の国税107円、地方税35円を引かれ、558円が振り込まれました。

働いて貯めたおカネから約35万円を投じたのに、たった558円......「配当金でウハウハ生活」「個人投資家でFIRE」といったネット記事が多数ありますが、私のような株初心者には、遠すぎる話だと思い知りました。

中国が日本への渡航自粛を要請インバウンド銘柄急落の大誤算

約35万円で買った株が現在、約7万円の含み損を抱え、配当金はたった558円という現実。正直、誤算でした。購入時から約20%も株価が下がっています。

OLC株が急落した理由の一つに、「訪日外国人(インバウンド)関連銘柄」だからとの指摘があります。昨年11月、高市首相の発言を巡って中国が自国民に日本への渡航自粛を促したことで、インバウンド銘柄の株価が下落しました。

訪日外国人数は25年に4000万人を超える見通しで、その消費額は総額8兆円強(24年)と、インバウンド市場は大きく成長しています。これも、私がOLC株を買ったきっかけです。日本のテーマパークは世界的にも優秀な経営と、勤勉でホスピタリティあふれる従業員で知られます。

しかしながら「好きな会社を応援するために株を買う」という投資は、実際にやってみると厳しいことがよく分かりました。株価は低迷、配当金はスズメの涙で、株主優待を使うにも色々と条件がある......。

それでも、OLCの株価を見るに、過小評価されていると思うのです。今回はテーマパーク研究者として、OLCの経営戦略を徹底分析します。


次ページでは以下のポイントを解説します

・ディズニーパークで値上げし客単価1万8196円と過去最高

・財務で見るべき2つの数字

・売上高1兆円への野望をかなえるクルーズ事業への参入

・40歳上の中高年リピーターが増加でパークは高齢化

・ウォルトも驚くであろう富裕層向けシフト

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米株式市場の「ソフトウェアマゲドン」、買い機会か見

ビジネス

ソニーG、純利益3回目の上方修正 メモリー「最低限

ビジネス

独鉱工業受注、12月は予想外の増加 大型受注が寄与

ビジネス

ノボノルディスクの糖尿病薬、大中華圏で初の売上減 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 4
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 10
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中