グーグルの親会社であるアルファベット<GOOGL>が、巨大テクノロジー企業群「M7(マグニフィセント・セブン)」の中でも際立った勝者として台頭しています。わずか1年前にはAIの波に乗り遅れた後発組と見なされ、主力である検索事業がAIの犠牲になるのではないか、という懸念から投資家に敬遠される時期もありました。
しかし現在では、AI技術のほぼあらゆる領域で主導的地位を握る企業へと変貌を遂げ、時価総額で世界首位の座を奪還することすら視野に入る存在となっています。アルファベットの劇的な巻き返しの背景と、エヌビディア<NVDA>との首位争いの行方を整理し、今後の株価を展望します。
決算発表で評価が一変
2026年第1四半期(1〜3月)決算を経て、アルファベットに対する投資家の評価は一変しました。4月29日の発表後、株価は最高値の更新を続けています。
飛躍を裏付けているのが絶好調な業績です。1〜3月期は、AIの開発や利用に不可欠なクラウド事業が牽引し、売上高と純利益が前年同期比で2ケタ増を達成しました。なかでも利益は前年同期比で約8割増という驚異的な伸びを示しています。
注目すべきは「グーグルクラウド」の躍進です。前期(2025年10〜12月期)は48%だった増収率が、この1〜3月期には63%へと一段と飛躍し、クラウド市場における存在感を大きく高めました。
この目覚ましい成長を底支えしているのが、同社が独自に開発したカスタムAI半導体「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」です。これが顧客にとって非常に大きな魅力となって、アルファベットはTPU関連のインフラから2026年に約30億ドル、2027年には実に250億ドルもの収益を上げる見通しとも言われています。
エヌビディアにはない強み
アルファベット最大の強みは、モデル開発から半導体、そしてエンドユーザー向けサービスに至るまで、完全に統合された包括的なAI戦略を有している点にあります。
業界最高水準とされる独自AIモデル「Gemini」を展開するだけでなく、有力なAIモデル「Claude」を擁するアンソロピックの主要出資者としても名を連ねています。さらに、AI技術を本業のグーグル検索や広告事業、クラウド事業に組み込むことで、強力な相乗効果を生み出しています。