ニュース速報
ワールド

米ホワイトハウス、人種差別的な動画投稿を削除 オバマ夫妻をサルに見立てる

2026年02月07日(土)06時04分

トランプ米大統領は5日夜、2020年の大統領選での自身の敗北が不正行為によるものだと主張する内容の1分間の動画を自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。1月撮影。REUTERS/Annabelle Gordon

Trevor Hunnicutt Steve Holland Bo Erickson Kat Stafford

[ワ‍シントン 6日 ロイター] - トランプ米大統領の交流サイト(SNS)「‌トゥルース・ソーシャル」に5日夜に投稿された動画が人種差別的との非難が相次いだことで、ホワイトハウスは6日、投稿から約12時間後にこの動画を削除した。動画では民主党‌のオバマ元大統領とミシェル夫人の​頭部が踊る霊長類に重ね合わされており、アフリカ系住民への人種差別的なイメージを想起させるとして、身内の共和党からも非難が相次いでいた。

ホワイトハウスはこの動画を当初は擁護していたが、その後「ホワイトハウスのスタッフが誤って投稿した」とし、動画は削除されたと説明。動画は人工‌知能(AI)が生成したとみられている。

トランプ大統領の側近によると、この動画が5日夜に投稿された際、トランプ氏本人は見ておらず、投稿されているのを確認した後に削除を指示した。ホワイトハウスはこの動画を投稿したとされるスタッフの身元は明らかにしていない。

動画が削除される前、ホワイトハウスのレビット報道官は、投稿された動画に対する非難が「偽りの怒り」を招いたとしたほか、「これはトランプ大統領をジャングルの王、民主党員を『ライオン・キング』のキャラクターに見立てたミーム動画からの引用だ」とも述べていた。トランプ氏が投稿した動画には、「ライオ​ン・キング」の楽曲が含まれていた。

動画に対しては、トランプ氏の盟⁠友で黒人のティム・スコット上院議員(共和党)をはじめとして批判が相次いでいた。スコッ‍ト氏はSNSのXで「ホワイトハウスで見た中で、最も人種差別的な行為だ。偽物であることを祈る。大統領は削除すべきだ」と非難。他の共和党議員からもトランプ氏に対し謝罪を求める声が上がったほか、一部の共和党議員は非公式にホワイトハウスと連絡を取り、懸念を伝えていたという。

この件について、オバマ夫妻の広報担当者はコメン‍トを控えている。

白人至上主義者は何世紀にもわたり、黒人の人間性を奪い支配する‍ための運‌動の一環として、アフリカ系住民をサルのように描いてきた。オバ‍マ氏の元側近のベン・ローズ氏はXに「将来の米国民がオバマ夫妻を愛すべき人物として受け入れる一方、トランプ氏を歴史の汚点として研究するであろうことを、トランプ氏とその人種差別主義の支持者たちは忘れてはならない」と投稿した。

これまでも人種差別的な言説を広めてきたトランプ氏は、オバマ氏が米国生まれではないという誤った主張⁠を繰り返してきた。昨年12月には、ソマリア人を「ゴミ」と呼んで国外追放すべきだと発言したほか、黒人であるハキーム・ジェフリーズ民主党院内総務に口ひげ⁠とソンブレロ(メキシカン・ハット)を重ねて描‍いたことでも批判を浴びた。 

公民権擁護団体は、トランプ氏の言動はますます大胆、常態化しており、政治的に許容されるようになっていると指摘している。

トランプ氏は政策発表のほか、さまざまな問題への言及に​ソーシャルメディアを活用。トランプ氏の交流サイト「トゥルース・ソーシャル」のフォロワー数は約1200万人に上る。大統領の投稿で市場の相場が動いたり、敵対勢力が刺激されたりする可能性があるため、今回の動画投稿を巡りトランプ氏のソーシャルメディア発信の安全管理体制を危ぶむ声も出ている。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ホワイトハウス、人種差別的な動画投稿を削除 オバ

ビジネス

ジェファーソンFRB副議長、26年見通し「慎重なが

ビジネス

SF連銀総裁「米経済は不安定」、雇用情勢の急変リス

ワールド

12年のリビア米領事館襲撃の容疑者を逮捕=司法長官
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 10
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中