脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる人が続けている」習慣の秘訣

Chay_Tee -shutterstock-
<知らないうちに「脳のゴミ」が溜まっている...認知症リスクが3割下がるスーパーで買える飲み物とは?>
老後を健康に過ごすには、どうすればいいのか。医師の鎌田實さんは「認知症は突然発症する病気ではない。発症リスクを下げるために、おすすめの飲み物やストレッチ方法がある」という──。(第3回)
※本稿は、鎌田實『医師のぼくが50年かけてたどりついた 長生きかまた体操』(アスコム)の一部を再編集したものです。
認知症は “生活習慣の積み重ね” で進行する
仕事や家事に追われる毎日。気づかないうちに、脳も体も少しずつ疲れをため込んでいませんか? 最近、人の名前が出てこなかったり、うっかりミスや忘れ物が増えたりしていると感じるなら、脳の衰えが始まっているのかもしれません。
最近、ぼく自身も、人の名前がすぐに出てこなかったり、会話の中で「ほら、あれ」や「それそれ」といった言葉が増えてきたと感じます。脳の衰え、とりわけ認知症は、決して他人事ではありません。
意外に思われるかもしれませんが、認知症はある日突然発症する病気ではありません。糖尿病などと同じように、生活習慣の積み重ねによって進行する「生活習慣病」のひとつなのです。だからこそ、今のうちから習慣を見直すことで、認知機能の低下を防ぐことは十分に可能です。
実際、認知症の前段階にあたるMCI(軽度認知障害)の時期に適切な対策を取れば、正常な脳の状態に戻ることもできる──そんな希望が、近年の研究からわかってきています。
緑茶を飲むといい
ぼくがぜひ、毎日の習慣として、食事や休憩タイムに飲んでほしいのが緑茶です。国立長寿医療研究センターの研究では、緑茶を1日に2杯以上飲むと、認知機能の低下リスクが約30%下がったと報告されています。
また別の調査では、1日に飲む緑茶の量が1杯(100ml)増えるごとに、記憶の形成にかかわる「海馬」の年間萎縮率が減少することもわかっています。
これは、緑茶に含まれるカテキンやテアニンなどのポリフェノールが持つ、抗酸化作用や抗炎症作用のおかげ。アルツハイマー型認知症の要因であるアミロイドβ、通称「脳のごみ」の増加を抑える働きも期待できるなど、緑茶は認知症予防の救世主かもしれません。
緑茶のカテキンは80度以上で溶出されます。熱いお湯でじっくり淹れた渋みの効いたお茶で、心身をリラックスさせながら、脳活もしてしまいましょう。
また、脳をより元気に保つためには「運動」も欠かせません。食事と運動は、健康を支える両輪。この2つがそろってはじめて、脳も体も健やかに保つことができます。
そこで、ぜひおすすめしたいのが、「かまた体操」の「バンザイスクワット」です。