最新記事

中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家安全保障に潜むリスクとは

2025年7月22日(火)17時37分
ジョーダン・キング
中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家安全保障に潜むリスクとは

農夫山泉の創業者、鍾睒睒の狙いは ORIENTAL IMAGEーREUTERS

<中国最大の飲料企業、農夫山泉による米ニューハンプシャー州での不動産買収が大きな波紋を呼んでいる>

中国を代表する大富豪、鍾睒睒(チョン・シャンシャン)が創業した同社は今年2月、ニューハンプシャー州内第2の都市ナシュアで9.3ヘクタールの土地と建物を評価額の4倍以上の6700万ドルで購入。すぐ近くには、一帯の水源と水道システムを管轄する半官半民のペニチャック・コーポレーションの浄水施設や貯水池がある。


農夫山泉は採水やボトリングの具体的な計画を示していないが、大量の水が使用されれば地元への飲料水供給に支障が生じると懸念の声が上がっている。しかも、この土地は空港や防衛関連施設、米連邦航空局(FAA)の管制センターにも近い。

今のところ、中国企業がこの地で不動産を所有することを明確に禁じる規定は連邦法にも州法にも存在しない。同州上院議員のレジーナ・バードセルは、外国人による軍事施設近郊の土地取得を禁じる法案を提案している。


ニューズウィーク日本版 山に挑む
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月29日号(7月23日発売)は「山に挑む」特集。心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム [PLUS]世界トレッキング名峰5選

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


科学
地震の正体は足元の「その先」に──深海から探る、地震発生のメカニズム
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、AI技術の海外展開や規制緩和を計画 23日発表

ワールド

米ゴールデンドーム構築、提携企業探し拡大 マスク氏

ワールド

米中、関税期限巡り28─29日にストックホルムで協

ワールド

米、ユネスコ脱退を表明 パレスチナ加盟「米政策に反
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量のカギは「ホルモン反応」にある
  • 2
    中国経済「危機」の深層...給与24%カットの国有企業社員、あの重要2業界でも未払いや遅延
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    三峡ダム以来の野心的事業...中国、チベットで世界最…
  • 5
    「死ぬほど怖かった...」高齢母の「大きな叫び声」を…
  • 6
    「なんだこれ...」夢遊病の女性が寝起きに握りしめて…
  • 7
    その病院には「司令室」がある...「医療版NASA」がも…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 10
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 8
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 9
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 10
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中