ニュース速報
ワールド

再送EXCLUSIVE-ゴールデンドーム構想、アマゾンに参加打診か マスク氏依存低減へ

2025年07月23日(水)09時58分

トランプ米政権は、次世代ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」構築に向けた産業パートナー探しを拡大していることが分かった。ホワイトハウスで5月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

(見出しの余分な文字を削除しました)

Mike Stone

[ ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米政権は、次世代ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」構築に向けた産業パートナー探しを拡大していることが分かった。関係筋3人が明らかにした。米アマゾン・ドット・コムの衛星通信網事業「プロジェクト・カイパー」や大手防衛関連企業などが含まれるもよう。

ゴールデンドーム構築の主要部分には、米実業家イーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXが携わる計画が検討されていたが、トランプ大統領との関係が悪化したマスク氏への過度な依存への警戒感から、スペースX以外の選択肢が検討されているという。

関係筋によると、スペースXは9000基を超える衛星打ち上げの実績などから、なおゴールデンドーム構築におけるパートナーの最有力候補であるものの、プロジェクトにおけるシェアは縮小する可能性がある。

プロジェクト・カイパーは打ち上げを計画する低軌道衛星3000基のうち、まだ78基しか打ち上げられていないが、国防総省から参加を打診されたという。

米当局者は、新たなパートナー探しで「プロジェクト・カイパーは大きな選択肢」と述べた。

当局はまた、ロケット会社のストーク・スペースやロケット・ラボにアプローチしたほか、伝統的な防衛大手のノースロップ・グラマン 、ロッキード・マーティン 、L3ハリス の関与についても協議を行っているという。

スペースXはコメント要請に応じていない。マスク氏はロイターの報道に関するX上の投稿への返答で「連邦政府の調達規制は最良の価格で最良のプロバイダーを利用することが義務付けられている。それ以外は法律違反になる」と述べた。

プロジェクト・カイパーの広報担当者、米国防総省はコメントを控えた。ホワイトハウスはコメント要請に応じていない。

トランプ氏は2期目就任後間もなく、ゴールデンドーム構想を打ち出した。同構想は今月17日に上院で承認された宇宙軍作戦副部長のグートライン大将が率いる見通し。

関係者によると、ヘグセス国防長官の指示により、グートライン氏は承認から30日以内にチームを編成、60日以内に最初のシステム設計を提出し、120日以内に衛星や地上局の詳細を含む完全な実施計画を提出しなければならない。

ロイターの報道を受け、国防総省はゴールデンドームの設計が今後60日内に策定されるとするプレスリリースを出した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

チョコ大手の米ハーシー、2桁台値上げ通知 カカオ豆

ワールド

日米、自動車関税は15%に引き下げで合意=関係者

ワールド

日米、相互関税・自動車15%で合意 トランプ氏「車

ビジネス

日経平均は急伸、米関税「15%」のトランプ発言を好
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量のカギは「ホルモン反応」にある
  • 2
    中国経済「危機」の深層...給与24%カットの国有企業社員、あの重要2業界でも未払いや遅延
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    三峡ダム以来の野心的事業...中国、チベットで世界最…
  • 5
    「なんだこれ...」夢遊病の女性が寝起きに握りしめて…
  • 6
    「死ぬほど怖かった...」高齢母の「大きな叫び声」を…
  • 7
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 8
    その病院には「司令室」がある...「医療版NASA」がも…
  • 9
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 10
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 8
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 9
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 10
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中