高校無償化が実施されても、家庭の教育費の支出は逆に増えている理由

学校が無償化になっても学校外の塾通いなどへの支出が増えている photoAC
<浮いた費用を塾通いに充てたり、また私学などでは寄付金や図書代などを「便乗値上げ」したケースもある>
「教育の無償化」を掲げる政策をよく聞くようになった。先駆けは2010年度に実施された高校無償化で、公立高校の授業料を一律無償にするものだった。2008年のリーマンショックの影響もあり、経済的理由による高校中退が問題化したことを受けての動きだ。高校は義務教育ではないものの、高校進学率が95%を超えている現在では、国民の共通教育機関としての性格を持つ。この段階までの教育機会は公的に保障しよう、という考えにはコンセンサスが得られている。
2014年度からは、年収910万円未満の家庭に年額11万8800円までの就学支援金を支給する制度に変わった(私立も同じ)。私立の場合、年収590万円未満の家庭には、年額39万6000円まで支給される。所得制限を設けることで、「下」に手厚い設計に変更されたわけだ。来年度からは所得制限を撤廃し、私立高の加算額を増やすことも検討されている。
高校生がいる家庭にとってはうれしい限りで、負担もさぞ軽くなったと思われる。だが、統計を見るとそうでもない。保護者が公立高校生1人に支出した年間教育費は、制度が始まる前の2008年度は51.6万円だったが、2023年度では59.8万円に増えている。どういう事情でそうなっているかは、<図1>のグラフを見ると分かる。
授業料がメインの学校教育費は下がっているものの、学校外教育への支出が1.5倍に増えている。15.9万円から24.6万円への増加だ。浮いたお金を塾通いなどに充てているのだろう。「無償化により、教育産業が潤う」とはよく言ったものだ。
授業料を実質無償にしても、プラスアルファの教育投資が増えるだけ。いたちごっこが繰り返され、教育費の総額がどんどん吊り上げられる。よって無償化は好ましくない。こういう意見もあるだろう。だが上記のデータはあくまで平均であって、家族旅行の頻度が増えたとか、子どもが過重なアルバイトから解放されたとか、大学進学費用の貯蓄ができたとかいう家庭もあるはずだ。授業料の無償化は、一概に愚策とは言えない。学費が高い日本の現状を放置していいことにはならない。
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