米、ユネスコ脱退を表明 パレスチナ加盟「米政策に反する」

米国務省は22日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から脱退すると表明した。2023年5月撮影(2025年 ロイター/Stephanie Lecocq)
[ワシントン/パリ 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退を表明した。米国は第1次トランプ政権時にユネスコから脱退したが、バイデン前政権時代に復帰していた。
米国務省は、脱退の理由の一つとして、ユネスコがパレスチナを加盟国として受け入れる決定を下したことを挙げ、「米国の政策に反するもので、ユネスコ内での反イスラエル的なレトリックの拡散につながった」とした。
米国のユネスコからの正式脱退は2026年12月31日の予定。イスラエルは米国によるユネスコ脱退の決定を歓迎した。
国務省のブルース報道官は声明で「ユネスコは分断的な社会的・文化的大義名分を推進するために活動し、国連の持続可能な開発目標という、米国第一主義の外交政策とは相反する、国際開発のためのグローバル主義的、イデオロギー的なアジェンダに重点を置いている」と指摘。
ホワイトハウスのケリー報道官は「トランプ大統領は、(昨年11月の大統領選で)国民が支持した常識的な政策とは全く相容れないウォーク(社会正義に目覚めた)思想や、分断を招く文化的・社会的大義を支持するユネスコから米国を脱退させることを決定した」と述べた。
ユネスコのアズレ事務局長は、深い遺憾の意を表明しつつも、この決定は「予想されていたことであり、ユネスコはそれに備えてきた」と言及。資金源の多様化により、米国から受け取っている予算は全体の約8%にとどまっていることも明らかにした。
フランスのマクロン大統領はXへの投稿で「科学、海洋、教育、文化、世界遺産を普遍的に保護するユネスコへの揺るぎない支持」を表明した。