コラム

政権が不安定だと「株価は上がる」?...参院選・与党大敗も「株価が急上昇」したシンプルな理由

2025年07月30日(水)19時02分
レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 藤野英人氏

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 藤野英人氏(YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」より)

<石破政権は不安定だが、マーケットはそれをポジティブに捉えている。プロ投資家に聞いた、政権と日本株の行く末は?>

「与党崩壊のスイッチが押された」──。今回の参院選での自民党の大敗を受けて、資産運用会社レオス・キャピタルワークス社長の藤野英人氏はこのように語っている。

総理自身の進退も含め、石破政権はより一層不安定なものとなったが、その一方で日経平均株価は最高値に迫る動きを見せている。これは一体なぜなのか。

本記事では、同社が運営するYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」の動画「参院選で与党が大敗したのに株価は急上昇?」(2025年7月25日公開)の内容から一部を紹介する。

◇ ◇ ◇

今回の参院選について「与党は頑張ったという見方もあるが全然そうではない」と藤野氏は振り返る。見逃せないのは、2022年の参院選で与党(特に自民党)が大勝していた点だ。

現在の与党の議席の多くはこのときの選挙で獲得したもので、3年後、2028年の選挙で当時と同等の議席数を与党が確保できなければ、過半数を大きく下回ることになる。

今回、国民民主党や参政党など新興政党が躍進したのは、既存の政党の枠組みへの国民からの「ノー」であり、このままいけば3年間で与党が崩壊する、というのが藤野氏の見立てだ。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

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