大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
東京デフリンピックの開会式(11月15日) POOLーZUMA PRESS WIREーREUTERS
<11月に日本で初めて開催された東京デフリンピックは驚くほど大きな盛り上がりを見せた。日本人がろう者・難聴者の「ろう文化」を理解するうえでも好成績を挙げたと言えるが、では日本人と日本社会はこれからどう変わるのか>
ろう者・難聴者の国際スポーツ大会である第25回夏季デフリンピックが11月に東京で開催された(写真は開会式)。80カ国・地域から約3000人が選手として参加し、駒沢オリンピック公園総合運動場など都内外の19会場で陸上、卓球、バスケットボール、水泳、柔道など21種目を競った。
これは僕にとってちょっと身近な話。アメリカで親元を離れてから、最初の住まいは偶然、ろう者と一緒のシェアハウスだったからだ。最初は彼と口話(こうわ、話者の口の動きや形を見て言葉を理解する技術)や筆談によってコミュニケーションをしていたが、手話を使うのがろう者の文化だと言われて、こつこつとアメリカ手話の基本を覚えた。
そうすることで、いくぶんろう者・難聴者の「ろう文化(Deaf culture)」を理解できるようになった。例えば、「音ではなく視覚」に依拠した手話では、小さな空間でも複数の対話が共存できる。競技場のような広い空間でも会話が成り立つところは、手話の快適な特典だと感じた。
一方、「ろう者は障害者ではなく、一つの文化的少数者である」という考え方が、聴覚障害がパラリンピックの競技体系に組み込まれない理由でもある。聴覚障害のみではパラリンピックの出場資格を満たさないため、ろう者はパラリンピックではなく、デフリンピックを自分たちの真の祭典として確立した(国際ろう者スポーツ委員会はパラリンピックとの統合を進めていたが、1995年に統合しないことを決めた)。
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