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中東情勢

「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか

Oppression or Invasion?

2026年3月10日(火)15時42分
石野シャハラン (異文化コミュニケーションアドバイザー)
アメリカとイスラエルの空爆を受けて避難するイランの首都テヘランの人々

アメリカとイスラエルの空爆でイランの首都テヘランでは多くの犠牲者が出た(3月3日) MAJID KHAHIーISNAーWANAーREUTERS

<本来自分たちの国は自分たちで変えたい。それでも外からの攻撃に望みを託さざるを得ないほど、イラン社会は行き詰まっている>

アメリカのミサイルを歓迎してしまうほど、イランは追い込まれていた──。

私は日本国籍を取得し日本に暮らすイラン人だ。だから今回のアメリカとイスラエルによるイラン攻撃を、遠い国の出来事として見ることができない。日本人としての距離感と、イラン人としての痛み。その2つの視点の間で、私はこの戦争を見つめている。


イランではイスラム革命以来47年間、国民が抑圧され続けてきた。革命後の体制は言論や思想の自由を厳しく制限し、政府にとって都合の悪い言動は逮捕、拘束、拷問、時に処刑という形で封じられてきた。

それでも長い間、ハメネイ師を頂点とする体制を支持する人々は一定数存在していた。「混乱より秩序を」「外国勢力の介入より自国の体制を」という考え方が社会の中に根強くあり、体制への不満を抱きながらも支持を続ける人々がいたのである。

しかし、その支持はここ数年で急速に失われつつある。2025年末以降、各地で起きた抗議デモに対する政権の対応はあまりにも苛烈だった。市民に向けて実弾が発砲され、多くの命が奪われた。かつては体制を支持していた人々の中からも、「これはもはや守るべき国家ではない」という声が上がり始めている。

イラン反体制運動の最も恐ろしい点は、反対勢力が国内で組織化できないことである。政党も市民団体も、地下組織すら育たない。芽が出た瞬間に摘み取られてしまうからだ。

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