国外に暮らすイラン人の多くもまた、複雑な思いでこの状況を見守っている。私たちは日本や欧米で安全に暮らしながら、家族や友人が暮らす祖国のニュースを、SNSや海外メディアを通して毎日追い続けている。

今回の攻撃以前は喜ぶべき出来事などほとんどなく、届くのは逮捕や発砲、処刑の知らせばかりだった。それでも人々が街頭に出続ける姿を見ると、遠く離れた場所にいても胸が締め付けられる。祖国を愛しているからこそ、何もできない自分の無力さと、外からの力に期待してしまう現実との間で、多くの人が葛藤してきた。

白紙委任状を渡した結果

日本では、この戦争は遠い国の出来事として扱われている。アメリカのミサイル攻撃が始まった2月28日、欧米のテレビは一斉にこのニュースを報じていた。

一方、日本のニュース番組での扱いは小さく、野球選手が焼肉店に集まった話題がトップを飾るメディアさえあった。私は思わずため息をついた。

ところがホルムズ海峡封鎖による原油価格高騰の懸念が現実味を帯びると、急に日本の報道に緊張感が漂い始めた。イランが日本にとって「自分事」になるのは、いつも経済への影響が見えてからだ。

熱狂が招いた現実