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米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=関係筋

2025年06月15日(日)16時24分

 米中が先週ロンドンで開催した通商協議では、国家安全保障に関わる輸出規制の重要な分野が未解決のまま残されており、より包括的な合意を脅かす争点になっていると、協議の詳細について説明を受けた関係者2人がロイターに語った。写真は米中協議の開催場所となったランカスター・ハウスの前で待機するメディア関係者。ロンドンで10日撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)

[北京/シンガポール 15日 ロイター] - 米中が先週ロンドンで開催した通商協議では、国家安全保障に関わる輸出規制の重要な分野が未解決のまま残されており、より包括的な合意を脅かす争点になっていると、協議の詳細について説明を受けた関係者2人がロイターに語った。

米中は9─10日にロンドンで2回目の閣僚級通商協議を実施。中国のレアアース(希土類)輸出規制を解消する枠組みなどで合意した。

しかし関係者によると、中国政府は、米軍のサプライヤーが戦闘機やミサイルシステムに必要とする一部の特殊レアアース磁石の輸出許可を約束していない。米国は、高度な人工知能(AI)半導体が軍事用途に使用されることを懸念し、これらの半導体の中国への輸出規制を維持している。

中国の交渉担当者はロンドンでの協議で、軍事用レアアース磁石の輸出規制解除の進展と、米国が長年続けている最先端AI半導体の対中輸出規制を関連付けようとしたとみられ、通商協議に新たな展開をもたらした。

さらに、米政府当局者は既存の対中関税について、先月ジュネーブで合意された8月10日の期限を越えて、さらに90日間延長することを検討していると示唆しており、より恒久的な貿易協定が締結される可能性は低いとみられるという。

ホワイトハウス、国務省、商務省はコメント要請に応じていない。中国の外務省と商務省からもコメントは得られていない。

ロイター
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