最新記事
中国経済

内幕を知ってゾッとする...中国で「60円朝食」が流行する深刻なワケ

2025年1月16日(木)09時34分
真壁昭夫(多摩大学特別招聘教授)*DIAMOND Onlineからの転載
内幕を知ってゾッとする...中国で「60円朝食」が流行する深刻なワケ

Tang Yan Song-shutterstock-

<中国経済はデフレ・マインドの浸透により、長期低迷の暗闇に足を踏み入れつつある。「3元(約60円)朝食」を出す地場チェーンの人気が急上昇し、外資系も格安メニューを投入...>

中国経済はバブルから一転、デフレ・マインドの浸透により、わが国が経験した長期低迷の暗闇に足を踏み入れつつある。不況による節約志向の高まりから、「3元(約60円)朝食」を出す地場チェーンの人気が急上昇し、ピザハットやマクドナルドなど外資系も格安メニューを投入せざるを得なくなっている。

習近平国家主席の下、政府は金融緩和や景気刺激策を加速させているものの、住宅在庫の処理には「140兆円を上回る資金が必要」と指摘されており、暗いトンネルの出口は見えない。

中国の不況が深刻化...不動産大手88社が最終赤字!

中国政府は今、次々に景気対策を打たざるを得ない状況に追い込まれている。今春に、「不動産業者の破綻増加は避けられない」と述べた倪虹住宅都市農村建設相は、8月下旬に住宅市場の立て直しに対しての強い意図を明確にした。中国経済の重要なカギを握る、住宅市場の支援拡充に本腰を入れるとみられる。

9月、スペインのサンチェス首相と会談した李強首相は、「電気自動車(EV)は過剰生産というわけではないが、経済分野で協力できる分野は幅広い」と発言した。これは、欧州向け輸出拡大を念頭に置いた発言といえる。


また、9月24日、中国人民銀行の潘功勝総裁は追加の金融緩和の可能性に加え、本土株買い支え資金の拡大など、矢継ぎ早に対策を打つ考えも示した。

これらの発言の背景には、不動産市況の悪化が止まらず、景気の先行きが一段と不透明になっていることがある。1~6月期の中間決算で、不動産大手158社のうち88社の最終損益が赤字だった。中国政府は、金融緩和や地方政府による住宅在庫の買取り策を実施したものの、期待されたほどの効果が出ていない。オフィスなど商業用不動産の市況も悪化している。生産、設備投資などの停滞で、8月、若年層(16~24歳、学生を除く)の失業率は18.8%に上昇した。

それに伴い、中国のリスク資産の下落懸念は高まっている。少子高齢化が進む中で雇用不安が高まると、当面、内需の本格的な拡大は見込めない。現状の経済対策では景気の本格的な回復は難しいだろう。

リーダーシップ
「AIに使われるか、AIを従えるか」 一橋大学が問う、エージェント時代の「次世代エグゼクティブ」の条件
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、イランとの協議順調 紛争費用負担でアラブ諸国に

ワールド

米陸軍精鋭部隊、数千人規模が中東展開開始 イラン作

ワールド

中国の大手銀、金利マージン縮小の鈍化見込む 海外の

ワールド

エア・カナダCEO退任へ、死亡事故の弔意で仏語不使
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思われるドローンの攻撃を受け大炎上
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 6
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 9
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 10
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中