コラム

長く生き残る秘訣は自然界でもビジネスでも同じ/underpin(根拠になる)

2018年01月25日(木)17時57分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
How to build a business that lasts 100 years
https://www.ted.com/talks/martin_reeves_how_to_build_a_business...

登壇者:マーティン・リーブズ

人間は100年生きるというコンセプトが最近注目されているが、ビジネスの寿命はどうだろうか。経営コンサルタントであるマーティン・リーブズ氏は最近、顧客の社長からこう聞かれたという。「わが社がこれから先100年存在し続けるためには、何をすべきか?」

アメリカの上場企業の平均寿命は30年という短さであるため、これはそう簡単な問いではない。答えを出すべく、リーブズ氏は生物学者に相談し、回復力が高く、寿命が長い自然界のシステム(例えば熱帯雨林)や人間の手によって長く生き残ったシステム(例えばローマ帝国やカトリック教会)を分析した。

その結果、リーブズ氏はそれらに共通する6つの特徴を見つけ出した。そして、この特徴というのはまさに変化に対応する能力なのだと彼は言う。80年代半ばからグローバル化と技術や通信における革命が同時に起き始め、その結果、ビジネスが置かれる環境は過去と比べてますますダイナミックで予測できないものとなってきている。

そのため、そういった目まぐるしく変化する状況を反映し、柔軟に対応できるようになることが必要であると彼は言う。

このTEDトークは、日本企業の例を複数取り上げているという点からすれば日本人にとって馴染みがあるとも言えるが、安定的な環境に適した経営を形作ってきた日系企業にとっても非常に重要なメッセージとなるものなので、ぜひ一度見ておくことをお勧めしたい。

キーフレーズ解説

underpin
根拠になる
(動画6:00より)

underpinのもともとの意味は建築に由来しており、弱い構造を下から支えるというニュアンスを持つ言葉として使われています(例えば、地下に強い基礎を作るためなど)。そこから派生して、何かのコンセプトや主張を根拠づけるという意味を持つようになりました。

今回のTEDトークでは後者の意味で使われており、リーブズ氏は人間の免疫システムをunderpinするものについて説明しています。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●Blockchain technology underpins the cryptocurrency industry.
(ブロックチェーン技術は暗号通貨業界の基礎になっている)

●He attacked the analysis that underpinned the report.
(彼はレポートの根拠になっていた分析を非難した)

●Scholars say that Protestantism underpins American values.
(学者によると、プロテスタンティズム〔キリスト教プロテスタント主義〕はアメリカの価値観を裏付けている)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story