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午後3時のドルは147円付近に上昇、2週間ぶり高値圏 根強い円売り

2025年07月09日(水)15時34分

 7月9日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の147円近辺で推移している。写真は1ドル紙幣。2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

Atsuko Aoyama

[東京 9日 ロイター] -

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の147円近辺で推移している。トランプ米大統領が銅や銅製品、医薬品などへの追加関税に言及するなど、米国の物価上昇につながる関税賦課に前のめりな姿勢を示していることが背景にある。円売りも根強く、日本への関税を巡り、日本の景気への悪影響が改めて意識されているとの指摘も聞かれた。

朝方は146円半ばで推移していたドルは、正午前に147円台に乗せた。その後、上値を147.19円まで伸ばして6月23日以来2週間ぶり高値に上昇した。午後は147円近辺でほぼ横ばいで推移した。根強い円売りで、ユーロ/円は172円前半と1年ぶり高値を更新している。

実需筋でも「ドル147円台で輸出勢のオーダーがたまっていると思っていたが、ドル売りはさほど勢いづかなかった。むしろ輸入が機動的にドル買いを入れた」(国内銀行の為替セールス担当者)との声があった。147円台乗せで市場の目線は「上方向」(同)にはあるものの、一段高となる材料も見当たらず「これまでの上昇トレンドとは違い、ドル/円の下落に備えてしっかりオーダーを置く向きもある」(同)という。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、関税に対するトランプ大統領の姿勢が積極化しているとして、対日関税を巡って、米国の消費者に価格転嫁をせず利益を削る日本企業を含め、日本の景気への悪影響が懸念されているとの見方を示す。また、参議院選挙後の政局流動化を見据え、財政懸念による日本売りのリスクも意識され始めているとしている。

植野氏は、投機筋の円買いが膨らんでいるため、投機筋がこうした日本の景気悪化や参院選後の政局流動化リスクを材料に、夏季休暇に入る前にポジション整理を進めている可能性があるとも指摘した。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 146.97/147.01 1.1716/1.1718 172.21/172.26

午前9時現在 146.85/146.89 1.1722/1.1724 172.17/172.18

NY午後5時 146.56/146.58 1.1724/1.1726 171.83/171.87

ロイター
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