米製薬メルク、肺疾患治療薬の英ベローナを買収 100億ドル規模

7月9日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、米製薬大手メルクが、肺疾患治療薬を開発する英ベローナ・ファーマを約100億ドルで買収することで合意に近づいていると報じた。写真はメルクのロゴと株価のチャートを使ったイメージ。撮影は3月26日、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[9日 ロイター] - 米製薬大手メルクは、肺疾患治療薬を開発する英ベローナ・ファーマを約100億ドルで買収する。
両社の発表によると、ベローナの米国預託株式(ADS)1単位当たり107ドルを支払う。これはナスダック市場の直近終値に対し23%のプレミアムとなる。ベローナはフランクフルト証券取引所にも上場している
メルクにとり、2023年にプロメテウス・バイオサイエンシズを108億ドルで買収して以来の大型案件となる。
発表に先立ち英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が9日、報じていた。
メルクは、昨年の売上高が300億ドル近くに達した抗がん剤「キイトルーダ」に長らく依存してきたが、キイトルーダの特許切れが2028年から始まるため、収益基盤の拡大に向け買収戦略を強化している。
ベローナは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬「オーツバイア」が承認され、注目を集めた。同社の第1・四半期の売上高7600万ドルの96%以上はオーツバイアによるものだった。