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「ケネディの匂い」がしないバイデン大統領
写真は1961年5月に撮影されたケネディ大統領とジャクリーン夫人 Abbie Rowe/The White House/REUTERS
<国難にあたって沈思黙考するリーダー像は、今や過去のものになっているのかもしれない>
先日、あるウェビナーの席で興味深い質問を受けました。「歴代の民主党政治家はみんなケネディの匂いがするのですが、バイデン大統領にはそれがありません」としたうえで、その理由をたずねられたのです。その瞬間、確かに「なるほど、バイデンにはケネディの匂いがしない」という点で、私もそう思ったのですが、問題はその理由です。
その時、咄嗟に答えた内容に加えて、その後に思いついたことも加えて考えてみたいと思います。
その前に確認ですが、20世紀後半から現在に至るまで、民主党の主要な政治家にはどこか「ケネディの匂い」がありました。例えば、大統領になった人物では、ビル・クリントン、バラク・オバマなどには、そんな雰囲気がありました。選挙に負けて大統領になれなかった人物でも、例えばデュカキスとかゴアにも、それはあったように思います。ヒラリー・クリントンにしても、どこかケネディの民主党という雰囲気は持っています。
ですが、確かにバイデン大統領にはそれがありません。考えてみれば、アメリカ史上でケネディとバイデンというのは、カトリックの大統領ということでは、この2人だけという共通点があります。ですが、確かにバイデンにはケネディの民主党という匂いはしません。
バイデン独自のキャラ
1つは地域性だと思います。ケネディ的なるものの背景には、アメリカの北東部、特にその北に位置するニューイングランドという地域性があります。例えばデュカキス、ゴア、オバマは、みんなハーバードの法科大学院の出身ですし、クリントン夫妻も法科大学院はイエールです。
これに対して、バイデン大統領は生まれがペンシルベニア州のスクラントンで、幼い時期にデラウェアに転居。今もここがベースです。大学もデラウェア大学とシラキュースの法科大学院ですから、ニューイングランドの地域性よりは西になります。
2つ目は、キャラクターということだと思います。特に20世紀後半の民主党政治家は皆、ケネディのカリスマをどこかで真似ている印象がありました。地域的には接点のない(コネチカットの潜水艦基地勤務だったのは事実ですが)カーターにしても、ケネディと世代が近かったこともあり、どこか比較されていたのは事実です。
ですが、バイデン大統領の場合は、苦労人だということ、家庭内の悲劇を背負っていること、そのくせ人懐っこい憎めない人柄ということなどから、「バイデンというキャラ」が立っているわけです。嫌いな人には「失言大魔王」のように思われていることも含めて、ケネディとイメージ的に重なるところがない独自のキャラクターなのだと思います。
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