コラム

18歳成人法案こそ、有権者教育の教材として最適なのでは?

2018年06月15日(金)15時00分

さらに、ここが最も大事な点なのですが、議論には参加したが、最終的に可決成立した法案は「自分の意見とは違う」という場合、それはそれで成立した法律には服さねばならないわけです。この「頑張って反対した」「でも自分の意見は通らなかった」「でも法律には従う」というところに、民主主義を採用した法治国家における有権者の権利と義務の関係が凝縮されているわけです。

また「自分は反対した法律が成立した」「だが、自分は反対の意見表明と法案の改正を主張し続ける」という言論の自由、政治的良心の自由、表現の自由というのも有権者として知っておくべき権利だと思います。

せっかく18歳選挙権が先に認められたのですから、少なくとも刑事法制における「18歳成人」については、是非18歳や19歳の有権者が、その議論に参加していくべきだと思います。成人式がどうなるかなどという話題より、こちらの方がずっと大事ではないかと思います。


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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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