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墜落したアパッチヘリが象徴する軍事予算の矛盾

墜落したヘリと同じ系統の米軍AH64アパッチ(昨年4月の米韓合同演習) Kim Hongji-REUTERS
<自動運転車の民生用レーダーの技術はすでに相当の進化を遂げており、墜落した陸自ヘリのレーダー能力をおそらく数段上回っている>
今週5日、佐賀県神埼市の住宅地に陸上自衛隊のAH64D型ヘリコプターが墜落しました。現時点では少なくとも乗員1名の死亡が確認され、もう1名と見られる遺体が見つかる惨事となっています。事故原因に関しては、詳細な調査を待たねばなりませんが、ヘリコプターの揚力と推進力の源であるメイン・ローターに深刻な故障が発生して墜落したという可能性が大きいようです。
このAH64Dですが、元の設計はボーイング社のAH64で「アパッチ」というアメリカ先住民の部族名がニックネームとしてつけられています。また、Dという型番で識別される事故機は「アパッチ・ロングボウ」つまり「アパッチ族の大弓」という愛称で呼ばれています。
この「ロングボウ」ですが、ミリ波レーダーを使った「対地」と「対空」識別能力に優れているというのが売り物です。特にこの機種の場合は、「対地」つまり上空から陸上の敵戦車、敵兵などの「対象物」を探知して、脅威のレベルを判定、必要に応じて攻撃の優先順位を決定する能力があると言われています。
そのAH64Dが住宅地に墜落して乗員の犠牲者が出たというのは、何とも皮肉な話としか言いようがありません。というのは、陸上の対象をミリ波レーダーで厳密に走査して精密に特定する能力のある機であっても、肝心のヘリコプターとしての基本性能で、整備不良などのトラブルがあったら、このような惨事を起こしてしまうということです。
ここからは推測ですが、深刻なトラブルに見舞われている中で、住宅地への墜落を回避するべく、乗員は必死の努力をしていたことを考えると、何とも言えない気持ちになります。
もう1つ、今回の事故を契機に感じた矛盾があります。というのは、この「アパッチ・ロングボウ」というのは、ミリ波レーダーによる同時に複数の対象物を索敵、追跡する能力があるわけです。その能力を評価して自衛隊も導入しており、当初は62機の導入を目指していました。
最終的には、費用の問題など様々なトラブルがあった結果、13機で調達が打ち切りになっています。その正確な金額は不明ですが、一部で報じられている数字ではプロジェクトの総額は2000億円に近い額となるようです。
その高額な価格の根拠としてはヘリコプターとしての基本性能ではなく、「アパッチ・ロングボウ」というレーダーシステムにあるわけです。問題は、その基本設計が1990年代のものだということです。
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