- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- どうして被災県知事が情報の司令塔になれないのか?
どうして被災県知事が情報の司令塔になれないのか?

避難者の急増で救援物資の配給は混乱が続いている Kyodo/REUTERS
熊本地震では、余震が続く中で被災者の避難をどうするか、物資の調達をどうするかなど、日々、危機管理が続いています。危機管理の中で、最も重要なのが情報です。情報の管理といっても、別に情報を隠せとか操作しろというのではありません。被災県民に対しても、全国に対しても必要な情報が的確に流れることは重要ですし、それに加えて、顔の見える個人が肉声で情報を整理して発信することができれば、心理的な安心感を与えることもできるはずです。
今回の危機管理を見ていますと、こうした人的なリーダーシップとコミュニケーションという問題がとても気になります。2011年の東日本大震災でも同様の感想を持ったのですが、例えばですが、県知事が行う定例会見を情報集約とメッセージ発信の場にすることはできないのでしょうか?
これはアメリカの例で、しかも天災ではなく人災ですが、2001年に911のテロが起きた際には、当時のジュリアーニ(ニューヨーク)市長は、連日定例会見を行い、それがローカルと全国のテレビに流れて、地元の人々と全国の人々とのコミュニケーションの「ハブ」になりました。
その内容は多岐に渡り、「昨日の時点では何丁目から南は立ち入り禁止だったのを、本日の◯時から立ち入り禁止を解除します」という種類の具体的な生活情報もあれば「本日時点での身元判明犠牲者は何名、不明者は何名です」といったファクトの確認、そして「小職は殉職した市警のAさんの葬儀に行って参りました。悲しいがいい式でした」といったエモーショナルなものまで、連日キチンと会見で説明し、質問に答えていたのです。
時には「今は戦争状態だと言うこともできるかもしれません。でも、皆さん閉じこもっていてはダメです。ショッピングに行ける方は行ったらいいと思います。お子さんのいらっしゃる方は、お連れになったらいい。安全は私が請け合います」というような、ヒューマンなメッセージも発信していました。
ジュリアーニ氏個人に関して言えば、その後は保守的な外交政策を掲げたり、今はドナルド・トランプを支持したり、政治的な立場はハッキリしていますが、この危機管理の期間中は、定例会見で党派的な発言は一切しなかったのも見事だったと思います。
私にとってさらに身近なのは、ハリケーン「サンディ」の襲来を受けた際のクリス・クリスティ(ニュージャージー州)知事の対応です。知事は、ハリケーン上陸の前からFMラジオに出ずっぱりで、州民からの質問に答えたり、被災後は状況を説明したり、コミュニケーションの「ハブ」の役割をしていました。
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱 2025.09.17
「物価高対策と財政規律の間の最適解」──ポスト石破に求められる最重要課題 2025.09.10
アメリカのストーカー対策、日本との違いを考える 2025.09.03
「体験格差」という言葉に覚える強烈な違和感 2025.08.27
-
外資系企業向けの会計税務スタッフ/簿記2級/経験不問/在宅応相談/フレックス
株式会社JCアカウンティング
- 東京都
- 月給21万円~28万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備員/経験歓迎/教育制度あり/賞与支給/夜勤あり/稼げる仕事
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備年収472万可能/丁寧な研修あり/夜勤あり/賞与支給/高収入/経験OK
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備員年収472万可能/賞与支給/簡単な作業/夜勤あり/経験者
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員