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「3・11」3周年、分裂が固定化しつつあるエネルギー問題
似たような構図が、総理大臣の「家庭内」にも見られるようです。政府は、原発再稼働と、電力会社の経営再生を狙った「エネルギー基本計画案」を策定しています。ここでは「ベースロード電源」という考え方が導入されています。耳慣れない言葉ですが、要するに電力需要の波に関わらず最低限の需要をコンスタントに担う部分という意味です。これは他ならぬ安倍政権の方針であるわけです。
ですが、首相夫人である安倍昭恵氏は、報道によれば都内で居酒屋を経営し「放射線が検出されそうもない西日本の食材」を中心に提供する一方で、脱原発の立場を明確にしています。これに対して首相は「家庭内野党」だとして、夫人との意見の相違があることを隠そうとはしていません。
このエピソードに関しては、当初は「スキャンダル」だというニュアンスでも受け止められていたのですが、今では既成事実化しています。そして、むしろ「家庭内の意見不一致」を隠さないことが夫妻の「誠実さ」のようなニュアンスも出てきているように思われます。
それどころか、考えてみれば多くの日本の、特に東日本の家庭では、原発再稼働問題に関して、このような「家庭内での意見不一致」というのは「よくある話」であるわけです。そう考えると、総理夫妻の状況は、東日本のこの世代の夫婦間にある問題を「典型的に代表している」とすら言えることにもなります。
選挙結果というのもよく分かりません。2012年末の衆院選で自民党が勝って安倍政権が発足した際には、「脱原発的なムードは不信任された」という解説がされ、選挙結果も何となくそんな印象でした。ですが、その安倍政権は、現在まで再稼働には慎重なままです。
2014年2月の都知事選も「脱原発」が争点になりかけたわけですが、結果は曖昧なままに終わりました。脱原発のエネルギーは、党派を超えたものにはならなかったのでしょうし、雪という悪天候を超えて有権者を投票所に向かわせるパワーにはならなかったのです。というと少々言い過ぎで、「脱原発に関する判断をするという有権者へのムリな期待」が雪に勝てなかった、あるいは組織票には勝てなかったという感じでしょうか。
いずれにしても、エネルギー政策に関しては、痛々しい分裂と奇妙な均衡が固定化しつつある、そんな印象を持ちます。
ここは、脱原発への年限を「0年(即時)、5年、10年、15年、20年、25年」ぐらいに分けて、その場合のGDPの推移と、貿易赤字、為替レート、国家債務、破綻リスクなどのシミュレーションを行う、それも政府だけでなく、民間のシンクタンクや、コンサルティング・ファームなどのコンペにするのです。コンペと言っても、優劣を問うのではなく、「各シミュレーション」を並べて、お互いにパラメータの批判をし合って、議論を深めることを提案したいと思います。
小泉純一郎氏も、とりあえず「即時脱原発」を主張するものの、経済的な問題としての可能・不可能に関しては官僚がしっかり検討するのを期待する、そんなようなことを言っていました。
とにかく、決断を先送りしていてはダメだと思います。ウクライナのように原発依存は止められない一方で、天然ガス代が払えないために戦車に踏み込まれるような事態(私はそう見ています)は、日本の場合は現実感に乏しいと思います。ですが、そうならないためにも、この「3周年」を契機として実務的な議論を進めなくてはいけないと思うのです。
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