最新記事
韓国社会

なぜ李在明は「キャラ変」したのか...支持率を押し上げる「働く大統領」像

AN IMAGE CHANGER

2025年8月18日(月)20時10分
木村幹(本誌コラムニスト、神戸大学大学院国際協力研究科教授)
韓国の光復節80周年式典に出席する李在明大統領

「光復節」80年を祝う式典に出席した李在明(8月15日、ソウル) AHN YOUNG-JOON―POOL―REUTERS

<かつては挑発的な言動で注目を集めた李在明。しかし大統領就任後は一転、過激さを封印し、別のイメージ戦略で支持を高めている>

昨年12月の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の戒厳令宣布から8カ月。6月には新大統領の李在明(イ・ジェミョン)が就任し、韓国政治はようやく正常な状態に復帰した。

とはいえ、選挙は保守派の2候補の票を合わせれば、李を上回る結果であり、韓国政治はまだまだ混乱が続くだろう、そう思っていた。

しかし、政権発足から2カ月を経た今、韓国はすっかり落ち着きを取り戻している。あれほど社会を揺るがした巨大デモはどこへやら。猛暑もあって各団体が組織する集会には閑古鳥が鳴いている。

テレビは依然として、尹夫妻をめぐる疑惑を熱心に報じているが、人々がこれに大きな関心を寄せているようには見られない。

他方、李政権は予想以上の健闘を見せている。

世論調査会社リアルメーターの調査によれば7月末の李の支持率は63.3%。同社による李の支持率は7月に入ってから60%台が続き、好調が続いた(編集部注:8月初めの支持率は56.5%)。

対照的に野党に転落した旧与党・国民の力の支持率は7月に20%台に転落し、50%台を記録する現与党・共に民主党にダブルスコア近い差で後れを取っている。

李は何故に支持を集めているのか。明らかなのは、それが「韓国のトランプ」との異名を取る過激なメッセージやパフォーマンスによるものではない、ということだ。

大統領就任後の彼は、日韓関係をはじめとする対外関係においてのみならず、国内政治でも過激な発言を控えている。

他方、共に民主党首脳部からは、国民の力に対する挑発的な発言が続発しており、大統領との間で分業が成立しているように見える。

焦点であったアメリカとの関税協議においても、李は自ら前面に出ることなく、交渉を担当閣僚たちに任せている。G7拡大会合に出席した後、彼は外遊も行っておらず、独自の外交的パフォーマンスも見られない。

「国民のために働く姿」を見せる

それなら李はどのような姿を韓国国民に見せているのか。

記事の続きはメディアプラットフォーム「note」のニューズウィーク日本版公式アカウントで公開しています。

【note限定公開記事】なぜ李在明は「キャラ変」したのか...支持率を押し上げる「働く大統領」像


ニューズウィーク日本版「note」公式アカウント開設のお知らせ

公式サイトで日々公開している無料記事とは異なり、noteでは定期購読会員向けにより選び抜いた国際記事を安定して、継続的に届けていく仕組みを整えています。翻訳記事についても、速報性よりも「読んで深く理解できること」に重きを置いたラインナップを選定。一人でも多くの方に、時間をかけて読む価値のある国際情報を、信頼できる形でお届けしたいと考えています。


ニューズウィーク日本版 台湾有事 そのとき世界は、日本は
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月26日号(8月19日発売)は「台湾有事 そのとき世界は、日本は」特集。中国の圧力とアメリカの「変心」に強まる台湾の危機感。東アジア最大のリスクを考える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

郵送投票排除、トランプ氏が大統領令署名へ 来年の中

ビジネス

ノルウェーSWF、ガザ関連でさらに6社投資除外

ワールド

ゼレンスキー氏、ロシアの「冷酷な」攻撃非難 「訪米

ワールド

イラン、協力停止後もIAEAと協議継続 「数日中に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に入る国はどこ?
  • 4
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 5
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 6
    恐怖体験...飛行機内で隣の客から「ハラスメント」を…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    40代は資格より自分のスキルを「リストラ」せよ――年…
  • 9
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 10
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 8
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 9
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中