コラム

吉野家「外国籍」騒動の根深さ

2022年05月23日(月)14時30分

新卒採用説明会からの排除がアルバイトとしての労働と併存しているとすれば、国籍の違いが雇用形態や賃金水準の違いに直結してはいないか、現在の日本社会全体の在り方まで含めて考えるべき問題だ。

歴史を振り返れば、日立就職差別事件が起きたのが1970年。

日本で生まれ育った18歳の青年が、採用試験の合格後に在日コリアン2世だと告げたことで採用を取り消され、裁判を起こした。横浜地裁は不当な民族差別だと明言し、日立製作所の採用取り消しを認めないとする判決を出した。1974年のことだ。

それから50年近くの時がたち、日本社会はどれだけ変化できたか。

そこで暮らす人々のルーツは確かに多様化したが、「私たち」は誰もが同じ尊厳を持つ人間だということへの真剣さは今も足りないままだ。

<2022年5月31日号掲載>

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プロフィール

望月優大

ライター。ウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長。著書に『ふたつの日本──「移民国家」の建前と現実』 。移民・外国人に関してなど社会的なテーマを中心に発信を継続。非営利団体などへのアドバイザリーも行っている。

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