コラム

57歳で雑誌のグラビア撮影(笑)をされながら考えたこと

2018年05月19日(土)16時30分

写真提供:筆者

<あの「エスクァイア」から撮影の依頼! 中国は変わった。そして、中国人の日本に対する見方も変わってきている>

こんにちは、新宿案内人の李小牧です。

先日、北京で雑誌の取材を受けた。これまで数え切れないほどの取材を受けてきただけにもう慣れたものだが、今回に限っては勝手が違った。新聞でも週刊誌でもなく、なんとファッション誌のグラビア撮影だったのだ。

ファッション誌とは「時尚先生」。1933年にアメリカで創刊された世界的な男性誌「エスクァイア」の中国語版だ。

中国では男性中産層向けのハイエンドファッション誌として高い人気を誇る。バレエダンサー出身で、いまだに体形をキープしている私とはいえ、まもなく還暦を迎えようとする今になって、グラビア撮影の依頼が来るとは思わなかった(笑)。

撮影は北京で行われた。完成したばかりの日本風居酒屋が撮影地で、スタイリストが付き、ヨーロッパや中国のハイエンドなブランド服に身を包んで、酒を飲み歓談しながら撮影は行われた。人気雑誌のグラビアモデルに起用されたのだから、全部脱ぐ覚悟で行ったのだが、幸か不幸かヌード撮影は要求されなかった(笑)。

お気に入りの写真が上の1枚。隣にいる美女はモデルではなく、私のウェブラジオ番組の担当者だ。かわいい顔とは裏腹なやり手で、番組は有料のリスナーが18万人になるまで成長している。この番組についてはまた別の機会に詳しくご紹介したい。

さて、今回改めて気づかされたのは、中国中産層の消費力の向上だ。雑誌を見せてもらったが、掲載されているブランドは国際的な一流ブランドばかりで、値段も日本以上だった。撮影にかける予算もすごい。用意されていたのは、ブルガリホテル北京の一室。北京市の一等地にあるこの高級ホテルに泊まらせてもらった。昔は中国の高級ホテルといえば、ともかくド派手に、ゴージャスにすることが求められていたが、ブルガリホテルはシックな造りだ。

中国は変わった。ぼろぼろだった街並みがビル群に変わり、貧しい人々が金持ちになり、悪趣味な成り金が消えて本物の上流階級が出現している。こうした変化が超特急で進んでいる。

もちろん、格差は開いており、変化に取り残されている人も少なくない。ポジティブな面ばかりでないことは確かだが、成熟した消費者が生まれていることは歓迎すべき事態だろう。

プロフィール

李小牧(り・こまき)

新宿案内人
1960年、中国湖南省長沙市生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て、88年に私費留学生として来日。東京モード学園に通うかたわら新宿・歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動を始める。2002年、その体験をつづった『歌舞伎町案内人』(角川書店)がベストセラーとなり、以後、日中両国で著作活動を行う。2007年、故郷の味・湖南料理を提供するレストラン《湖南菜館》を歌舞伎町にオープン。2014年6月に日本への帰化を申請し、翌2015年2月、日本国籍を取得。同年4月の新宿区議会議員選挙に初出馬し、落選した。『歌舞伎町案内人365日』(朝日新聞出版)、『歌舞伎町案内人の恋』(河出書房新社)、『微博の衝撃』(共著、CCCメディアハウス)など著書多数。政界挑戦の経緯は、『元・中国人、日本で政治家をめざす』(CCCメディアハウス)にまとめた。

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