トランプもバイデンも、日本製鉄のUSスチール買収に反対...日本が思い出すべき、かつての「身勝手」
日本人にとって当たり前の行動をアメリカ人も
だが日本企業が海外に進出するとなると全く論調が変わり、アメリカの企業を買収することや、買収後にリストラを行って利益を上げることは、むしろ高く評価されていたというのが現実だ。
こうした、ある種、片務的な関係が持続していたのも全てはアメリカが自由貿易主義だったからである。しかしここ10年でアメリカの世論は大きく変わった。日本社会と同様、外国企業が自国で商売をしたり、企業の売り買いをすることに強いアレルギーを示すようになった。今回の一連の反応は、日本人にとっては当たり前の行動をアメリカ人もするようになっただけであり、日本人が取ってきた行動がそのまま返ってきているだけとも解釈できる。
時代は確実に経済の分断に向けて動き始めており、誰が大統領になっても、アメリカ市場という巨大なリソースをタダ同然で利用できるという従来の常識は捨て去る必要があるだろう。

アマゾンに飛びます
2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
消費者への支援はもう無理? トランプ関税で、大幅な方針転換を迫られた「景気対策」の行方 2025.04.24
トランプは関税発動とインフレ退治のどちらを優先? ついに見えてきた「トランプ経済」の中身 2025.04.03