単に分散しているだけなら統合すればよいのだが、情報を収集・管理する手法も統一されていないので、データ形式や分類基準などに一貫性がなく、単純なデータ統合も難しい。

アメリカではコロナ対策給付金が自動的に政府から振り込まれたり、ドイツでは持続化給付金に相当する支援金がごく簡単な手続きで受け取れるなど、日本との違いが際立ったが、両国がこうしたシステムを迅速に構築できたのは、紙の時代から厳格なデータ管理を行ってきたからである。

一部の論者は日本人がプライバシーに過敏になっており、データ統合にむやみに反対していることが遅れの原因と主張しているが、それは違う。

一部の国民が行政によるデータ管理を信用していないのは、紙の時代から情報管理がずさんであり、IT化すればさらに大きな被害が生じるのではないかと懸念しているからである。文書が誰の権限でどんな形式で管理され、責任の所在がどこにあるのか明確な説明があれば、多くの国民は納得するはずで、それができていればデジタルへの移行は難しいことではない。

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