コラム

40度超え熱波のイギリスは「暑い夏」仕様にできていない

2022年07月28日(木)13時35分

暑いときには、イギリスではあらゆる事がおかしくなる。イギリスのスーパーマーケットには通常、ドアがなくて商品をそのまま取り出せる「オープン」式の冷蔵庫がある。でもこのシステムは気温が高すぎるときには対処できず、店側も商品が完全に安全と言えるほどの冷蔵温度が保たれているか保証できる状態ではなく......結局こうした棚は閉鎖されている。

鉄道線路は熱でゆがむ可能性があるから、電車は徐行運転を強いられている。今日は、空港の滑走路が溶けていると報道された。それを聞いて人々が最初に思ったのは、こんなことは暑い国では起こらないだろうから、イギリスではどういうわけかうっかり見落とされてしまっていたのだろう、というものだ。でもむしろ、建設当時のイギリスでは「このくらいで十分」と考えられていた仕様にきちんと合わせて作られたというほうが正しい。決して起こらない、あるいはたぶん100年に一度しか起こらない、という特殊な事態を想定してより多くのカネを投じて建設されていたら、それはそれできっと批判を受けていたことだろう。

ところが、気温36度以上は今では「2~3年ごと」に起こることであり、「まれ」ではなく「平常」になっているのだ。

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プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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