- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- 40度超え熱波のイギリスは「暑い夏」仕様にできてい…
40度超え熱波のイギリスは「暑い夏」仕様にできていない
暑いときには、イギリスではあらゆる事がおかしくなる。イギリスのスーパーマーケットには通常、ドアがなくて商品をそのまま取り出せる「オープン」式の冷蔵庫がある。でもこのシステムは気温が高すぎるときには対処できず、店側も商品が完全に安全と言えるほどの冷蔵温度が保たれているか保証できる状態ではなく......結局こうした棚は閉鎖されている。
鉄道線路は熱でゆがむ可能性があるから、電車は徐行運転を強いられている。今日は、空港の滑走路が溶けていると報道された。それを聞いて人々が最初に思ったのは、こんなことは暑い国では起こらないだろうから、イギリスではどういうわけかうっかり見落とされてしまっていたのだろう、というものだ。でもむしろ、建設当時のイギリスでは「このくらいで十分」と考えられていた仕様にきちんと合わせて作られたというほうが正しい。決して起こらない、あるいはたぶん100年に一度しか起こらない、という特殊な事態を想定してより多くのカネを投じて建設されていたら、それはそれできっと批判を受けていたことだろう。
ところが、気温36度以上は今では「2~3年ごと」に起こることであり、「まれ」ではなく「平常」になっているのだ。
2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの? 2024.04.17
英キャサリン妃の癌公表で「妬み」も感じてしまった理由 2024.03.28
死に体政権は悪あがき政策に走る 2024.03.13
イギリスはすっかり「刃物社会」になった......あまりに多発するナイフでの死傷事件 2024.03.09
イギリスは北アイルランドに特に未練なし......日本人の知らない北アイルランドの真実 2024.02.27
テロと対立は昔の話? 北アイルランドの薄れゆく分断 2024.02.17