コラム

お金のネガティブな印象と悪しき日本の「頑張りズム」

2021年03月11日(木)11時25分
藤野英人

「お金のまなびば!」より

<本当は興味津々なのに、なぜか遠ざけてしまうお金の話。日本人が「お金が好き」と発言しづらいのには、ある理由が存在する。カリスマ投資家・藤野英人氏と若手経営者、Gunosyの竹谷祐哉氏が考える「お金」の正体とは>

ひふみ投信シリーズのファンドマネージャーとして知られる藤野英人氏と、お金や投資、経済について学んでいくYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

この連載では同チャンネルから厳選した、日本人が知っておくべき投資や経済に関する情報をお届けする。

今回取り上げる動画「【対談】プロの投資家とIT社長で本気でお金を語る」では、藤野氏とGunosy代表取締役社長、竹谷祐哉氏がずばり「お金」について対談。Gunosyは、言わずと知れた「グノシー」「ニュースパス」などの情報キュレーションサービスやニュース配信アプリを開発・運営するIT企業だ。

「僕はお金が大好き。ただ、自信をもって言えるようになったのはごく最近のこと。日本で『お金が好き』と発言すると、金の亡者のように思われるのではないかという葛藤があった」と、藤野氏。

確かに日本でお金の話をすると、「汚い」「はしたない」などのネガティブな感情がつきまとうことが多い。「お金は自分の時間を増やしてくれるもの」と語る竹谷氏のように、ポジティブな感情を持つ人は少数派だ。

しかし藤野氏によると、日本人も本音ではお金が好きで、強いこだわりを持っているという。

なぜなら、貯金することは美徳とされるから。また、日々の買い物や就職・転職活動、結婚相手探しなど、「お金」が重要な判断基準になる場面は多い。

「お金の何が嫌なのかというと、他人と比較されて上下の差が出ること。そのような感情が生まれる理由は、日本では経済を勉強する機会がほとんどなく、お金のことを知らないから」と、藤野氏は言う。

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「お金のまなびば!」より

頑張ることは苦手、サボることを目標としてきた、と竹谷氏

日本は経済大国とされてきたが、経済や金融に関する教育は決して十分とは言えない。金融広報中央委員会「金融リテラシー調査(2019年)」によると、金融知識に関する共通の正誤問題を比較した場合、日本の正答率はアメリカ、ドイツ、イギリス、フランスを下回っている。

「お金の使い方や付加価値の上げ方を日本人は学んだことがない。『汗水たらして働くことが素晴らしい』と称賛され、『楽しく仕事をしよう』『投資をしてお金を増やそう』と言うと反発される。仕事が苦しくてつらいものであるのは当然とされ、『頑張ること』自体が働く目的になっている」

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

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