コラム

プロ投資家の目で見ると...物流の2024年問題の裏で成長する「ある産業」とは!?

2024年12月11日(水)15時53分
資産運用会社レオス・キャピタルワークス最高投資責任者 藤野英人氏

資産運用会社レオス・キャピタルワークス最高投資責任者 藤野英人氏(「お金のまなびば!」より)

<人手不足が深刻化し、これまでのようには地方にモノが届かなくなる未来は近い。一方で、この状況を契機に「成長する産業」もある──>

日夜、モノを移動することで社会を支える物流・運送業。「いつでも、どこでも、すぐに届く」ことが当たり前になった裏では、長時間労働の常態化が問題視されていた。

そこで、働き方改革関連法に基づき、今年4月からドライバーの時間外労働に上限規制が適用された。これにより今、日本は物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面している。

社会のあり方を大きく変えるこの問題に切り込むのが、日本の資産運用会社レオス・キャピタルワークスの最高投資責任者、藤野英人氏。

同社のYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」の動画「プロ投資家の視点!物流問題の影響はどこまで及ぶ?住む場所問題、輸送コスト増...一方で成長産業も!」では、藤野氏が物流の「2024年問題」が及ぼす影響について解説している。

藤野氏は、「物流に関わる人たちの待遇を良くし、人権を守るための改革だが、本当に働く人にとって良かったのかは微妙なところ。極端な人材不足が起きており、これまでのサービス体制はおそらく維持できなくなるだろう」と指摘。

10年も経たないうちに地方の人手不足が深刻化し、これまで通りにはモノが届かなくなる、あるいはコストが高くなる可能性が高いと推察している。

「これは国のせいではなく物理の法則。人が減る中で商売を成り立たせるためにはやらざるを得ない。地方は土地が安く、空気も水も綺麗で、人情がある。住みたい場所に住む権利は確保されるべきだが、相応のコストは負う必要があるだろう。『どこに住むか』が人生の大きな選択肢になる時代がやってきた」

深刻な人手不足は各方面で影響を及ぼしている。「地方に住みたい、かつ安く運んでほしい」という個人の希望を叶えることは難しい社会になりつつあるようだ。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、地政学リスク過小評価に警鐘 銀行規制緩和に

ワールド

ロシアの石油輸出収入、10月も減少=IEA

ビジネス

アングル:AI相場で広がる物色、日本勢に追い風 日

ワールド

中国外務省、高市首相に「悪質な」発言の撤回要求
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story