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ベトナム ホーチミン市もハノイ市のガソリンバイク禁止の波に乗るか? 期待される効果と課題

ベトナムの首都ハノイでは、2026年7月1日から中心部へのガソリンバイク乗り入れが禁止されることが決まり、話題を呼んでいます。この動きはベトナム各都市に影響を与えそうですが、ベトナム南部のホーチミン市はどう動くのだろうか?
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ホーチミン市建設局もガソリン車に対する規制案を発表
ホーチミン市建設局は、環境に悪影響のある高排出ガソリン車両を特定区域で制限する方針を検討しているが、現時点では「ガソリンバイク禁止」のタイミングや区域は確定していません。しかし都市中心部や汚染問題が深刻な地域から段階的に導入される可能性があります。
1. 高排出ガソリン車の制限に向けた調査・提案依頼
建設局は関係機関に対し、大気汚染リスクの高い地域でガソリン車など高排出車両を制限するためのプランを至急検討し、提案するよう要請しました。これには、内陸部の中心部や沿岸地域(例えばCần Giờ地区など)が含まれます。
2. 公共交通のクリーン化ロードマップ
同局は、次のような段階的なクリーン化政策のロードマップも提案しました。
• 第1フェーズ(2025年〜):公共バスを電動またはクリーンエネルギー車両に置き換える準備に着手し、2030年までに100%を達成する目標。
• 第2フェーズ:その他の車種にも排出量削減政策を拡大。住民、事業者、配送・タクシードライバーに対して、クリーン交通への移行を支援する、インセンティブや補助制度を検討。
3. 配達・配車ドライバー用ガソリンバイクの電動化支援
約40万人いる配達およびタクシードライバーを対象に、以下のような段階的電動化支援策も提案されています。
• 2025年末まで:30%(約12万台)を電動バイクに転換
• 2026年末まで:50%(約20万台)
• 2027年末まで:80%(約32万台)
• 2029年末まで:100%(約40万台)
さらに、電動バイク導入に際し、以下のような支援策が盛り込まれています。
• クリーン交通プロジェクト向け融資の年利2%補助
• 製造・販売企業向けのESG準拠による利子補給
• 配達・タクシードライバー向けの信用保証や法的支援
• 電動バイク購入者へのVAT還付などの優遇措置。
なぜ今、それが必要か? 背景にある問題
• 大気汚染の深刻化:ハノイにおいては、PM2.5による汚染が深刻です。ホーチミン市においても大気汚染での健康被害が懸念されています。
• 交通インフラの限界:ホーチミン市もバイク中心の交通体系で、交通混雑や騒音が続く一方、公共交通インフラの整備は追いついていません。
• 電動化推進の世界的潮流:国内でもVinFastなどが電動バイク普及を牽引しており、市場は今大きく電動化へと動いています。
こうした流れの中で、ホーチミン市も「環境・健康・都市づくり」の観点から同様の規制を視野に入れつつあるわけです。
期待される効果と課題
• 大幅な大気汚染の改善:都市中心部での排出削減が可能。
• 騒音低減:夜間の静寂や通勤ラッシュの改善。
• 電動モビリティ産業の後押し:ベトナム国産メーカーや電動バイク市場の成長を促進。
市民の声では、期待と慎重な姿勢が交錯
• 移行のスピード感に現場は懸念。「これは環境に良い政策だが、もし来年施行されたら急すぎる」とバイクタクシー運転手が指摘しています。
• 経済的負担「移動手段がバイクのみの人への影響は深刻」「どうやってガソリンバイクを廃車すればよいのか」という不安の声が大きい。
• 充電インフラ不足:「インフラが整っていない」「メトロも少なく、バスも行き届いていない」との指摘が多くあります。
• 都市インフラが準備できていない。指導と支援が必要。
しかし、賛成意見も多数
• 10万人が汚染に悩まされている。もっとクリーンで健康な都市になるよう、電動バイクは必要だ。
• 電動バイクは静かで走行費も安い。
• ガソリンバイクから電動バイクへの移行過渡期にしわ寄せが弱者にいかないようにしなければ。
まとめ
ホーチミン市がガソリンバイク乗り入れ禁止に本格的に踏み切るかどうか? まだ確定情報はありませんが、ハノイの動きに続く可能性は非常に高いと見られます。背景には「大気汚染対策」「都市の質の向上」「電動モビリティ推進」の強いニーズがあり、段階的な導入と並行して公共交通や充電設備の整備が急務となります。市民の心には「環境改善への期待」と「移行コストの不安」が同居しており、ホーチミン市のリーダーシップと政策支援のあり方が、都市の未来を左右しそうです。引き続き、ホーチミン市の動きをウォッチしながら、具体的な時期や政策が出て来たら改めてお知らせできればと思います。
※参考 VN Express