
NYで生きる!ワーキングマザーの視点
津田健次郎『遊☆戯☆王』25年の歩みを語る ANIME NYCで会場を沸かす

チケットは早くに売り切れとなっていたANIMENYC。8月22日から25日までジャビッツセンターで行われている、東海岸最大級のアニメコンベンションだ。世界中から10万人を超えるファンが集まり、日本のポップカルチャーを存分に楽しめる4日間。特別展示や限定上映、日本から招かれるトップクリエイターたちの登壇など、ここでしか味わえない体験が用意されている。
アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』で海馬瀬人を演じた声優の津田健次郎(つだけんじろう)さんがイベントのゲストとして登場するとあって、多くのファンの期待が集まった。現在はNHKの朝ドラ「あんぱん」にも出演中で、俳優としても活躍している津田さん。その姿をひと目見たいという思いで、筆者も取材に足を運んだ。
会場が広すぎて、ブースで様々なイベントがあって、どこで遊戯王のイベントがあるのかわからない。プレスルームへ行って聞いたら、特別なチケットが無いと、普通の人たちは入れないエリアだという。プレスもスペシャルなグリーンの星のシールみたいなのをバッジにつけてもらって「ギャランティーできないけど、行ってみて。」とスペシャル会場へ。
思いのほか警備がしっかりしていて、「ここは出口だからC1へ回って」と言われ、C1を探すのだけど、会場が広くてなかなか見つからない。ようやく見つけて入ろうとしたら、いったん入り口の女性からは断られた。しかし、マネージャーっぽい人に聞いてくれて、「プレスなら入れてあげて」と入れてもらうことができたのだった。
会場はファンで埋め尽くされ、津田健次郎さんとプロデューサーの実松照明(じつまつてるあき)さんが通訳を交えて日本語でトークを展開。撮影や録画などは禁止されていたので、筆者のタイプ力のみでフォローしたため、内容の齟齬がないよう一部省略部分もあることをご容赦ください。
スクリーンに『遊☆戯☆王』のシーンが映し出され、津田さんが実際にアフレコすると客席から大歓声が上がった。日本語であってもその迫力はファンたちの心を大きく揺さぶっていた。
以下は会場であらかじめ質問が入れられてたのだろう、Q&Aからの抜粋。津田さん、実松さんがそれぞれに回答した。
『遊☆戯☆王』を演じることに試行錯誤しましたか?
アフレコは、経験がなかった状態で、ハートで芝居をしました。当時、風間君(風間俊介さん)も僕もまだ原稿に不慣れでしたが、エネルギー全開でまるで「素手で殴り合っている」ような勢いで収録に臨んでいたんです。
インスピレーションと裏テーマ
作品全体には、カードバトルの表層だけでなく「友情」という大きな裏テーマが流れているんです。
他シリーズで「拾う人」を裏テーマとして描いたりしているものもあります。(拾う人とは、物語の中で「誰かを救い上げる存在」「受け止めて導く存在」として描かれるキャラクターを指す比喩的な言い方。)
会話の表情はどのようにつけていますか?
会話の中で言葉にならない感情を表現したりと、セリフの「ふん」も、「ふーん」といった些細な息遣いまでもが会話の一部としてアレンジ、やりとりを成り立たせています。
手の芝居とアニメーターのこだわり
声優の芝居だけでなく、アニメーターたちも細部に魂を込めていた。
特に「手の表情」。カードを引く、構える、その一瞬一瞬が子どもたちに「自分も触ってみたい」と思わせるよう工夫されているという。
実際に風が吹いているかのように描かれ、ルールに縛られない演出が生まれました。(遊戯や闇遊戯が真剣な場面、デュエルや相手との心理戦で心の声を語るとき、背景に風が吹く描写がよく使われます。これは"自然と会話しているように見せる"アニメ的な手法。)
高橋和希先生の助言
原作者・高橋和希先生からは、「主人公だけでなくライバルを強く描くこと」が伝えられていた。敵が強ければ強いほど、主人公はより成長する――その教えは作品全体を貫いているという。
津田さんが、演じたいほかのキャラクターは?
「次もやりたいのは...海馬?いや、ムカつくから絶対イヤ(笑)。仲良くなれそうなのは遊戯か城之内ですね。」冗談も飛び出すと、会場から笑いが起こった。。それでも会場のファンたちは海馬を応援、「皆さん、器が大きいですね」と、津田さんが会場の反応に驚いていた。
新人声優へのチャンス
キャストには積極的に新人が起用された。「他作品で色がつくより、『遊☆戯☆王』で力をつけていってほしい」という願いがあったからだ。ありがたいことに、多くの声優がその後の業界で成功を収め、今でも感謝しています。
『遊☆戯☆王』が残したもの
25年を経ても作品は多くのファンに愛されています。
楽して勝てる世界ではなく、人と人との繋がり、友情や兄弟のような絆、時代や空間を超えた交流が育まれてきた。気弱な少年がダークサイドから光に向かって進む姿もまた、ファンの心を動かしてきた。
「闇の深いキャラも、ハートとファイトで戦って未来へ進んでいく。」
その姿勢は、声優や制作陣自身の歩みとも重なる。
25年の感謝
ファンの愛が深すぎて、シリーズによって、バイクに乗ってる乗ってないでプロデューサーに直接、問い合わせがあったという。(遊戯王は時代ごとに進化してきた。初代は教室や街角で、5D'sでは未来都市を舞台にバイクに乗ってデュエルする。)
「25年間やってこれたのは、本当にファンにありがとうの気持ちしかない。」
漫画、アニメ、カード、そして世界中のファンが支えてくれたからこそ、『遊☆戯☆王』は今も走り続けている。
会場のようす。ものすごいブースの数で、フィギュアやコスチュームほか、撮影をやってる場所などもあり、回りきれない。
筆者はアニメに詳しくないので、なんのコスプレなのかは不明
慎重2メートルくらいの背の高い黒人男性のロボットみたいなコスプレは迫力だった。
カワイイそしてセクシー
こんな大きな荷物をどうやって持ってきたのかが謎
こんな人もいた
声をかけると快く撮影に応じてくれる
撮影中の人を撮影
コスプレ展示もあった
日本語でアフレコしていたのに、ファンたちは歓声をあげていたので、なぜそれほど津田健次郎さんが好きなのか聞いてみた。

- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com