コラム

「日本は特別」に固執していては、ロシアのように「時代遅れ」になるだけだ

2022年06月08日(水)17時01分
石野シャハラン

最新技術を使えば、才能ある人たちが組織やマスコミを介さず、スポンサーや業界の時代遅れのルールにとらわれることもなく作品を発表して収益を得られる。それによって生活を成り立たせることさえできる。例えば海外で人気の配信サービス「アンカー(Anchor)」は自作の音声番組を、「チューンコア(TuneCore)」は自作曲を、グーグルやアップルなどに自動配信してくれる。つまり、ほぼ世界中にあなたのメッセージや作品を瞬時に届けることができる。

こんなに大きな可能性にあふれた時代は今までなかっただろう。それなのに、これらのサービスなどを使った日本からの発信は非常に少ない。欧米では一般人のほかに著名人もポッドキャスト番組を持つくらい大人気のスポティファイも、日本向けには収益化システムさえ設定されていない。

日本は不景気で内向きで閉塞感が強い。だからつらいと思うならば、あなたの手のひらにあるテクノロジーで海外に飛び出してみることをおすすめする。そういう日本人が増えないと、ロシアの兵器のように日本も時代遅れへの道まっしぐらである。

toykyoeye_ishino_profile_w100.jpg石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
Twitter:@IshinoShahran

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