最新記事
戦闘機

イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」

US Bombs Iran: A Closer Look at the B-2 Bomber Used in Strikes

2025年6月26日(木)11時05分
マンディ・タヘリ

2日近くに及ぶ連続飛行任務をこなしたことも

米国防省によると、6月21日未明にホワイトマン基地を出発したB2は、イラン核施設へ十数発もの超大型貫通爆弾(MOP)、いわゆるバンカーバスターを投下。

空爆は午後6時40分から7時(いずれもアメリカ東部時間)の間に爆撃を実施された。その後、午後7時30分までにイラン領空を離脱、22日に基地へ帰還したという。


ケイン参謀本部議長は「B2がイランから離脱する際に攻撃を受けた形跡はない。イランの戦闘機は発進しておらず、地対空ミサイルシステムもB2を一切探知しなかったようだ。奇襲性を維持できた」と語った。「B2による飛行任務としては史上2番目の長時間だった」

米国防総省当局者は本誌に対し、「飛行時間は明かせないが、必要に応じて30時間超の出撃は常時行っている」と述べた。今回の推定飛行時間は36時間を超えるとされる。

B2は長距離任務に特化して設計されている。実際、2001年にはアメリカから飛び立った2機のB2がアフガニスタンの目標を爆撃するため、複数回の空中給油を受けつつ、ノンストップで往復44時間の任務を遂行している(B2の無給油での航続距離は約1万1000キロ)。

空中給油は高度な技術を要するが、特にB2パイロットにとっては難易度が高いとジャマリは指摘する。給油用のレセプタクル(受け口)がコックピットよりかなり後方にあり、視認性が悪いためだ。

「他の機体では、プローブ(給油機から伸びるホース)がどこに向かっているかを目視できるが、B2の場合は基本的に給油機の下に潜り込む形になる。レセプタクルはコックピットのずっと後方にあり、目視できない」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも

ビジネス

米バークシャー、アルファベット株43億ドル取得 ア

ワールド

焦点:社会の「自由化」進むイラン、水面下で反体制派
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 8
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 9
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 10
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中