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イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」

US Bombs Iran: A Closer Look at the B-2 Bomber Used in Strikes

2025年6月26日(木)11時05分
マンディ・タヘリ

B2の内部の環境は?パイロットは長時間過ごせる?

B1爆撃機の乗員が4人、B52爆撃機が6人であるのに対し、B2は2人のパイロットによって運用される。

このため、コックピットは他の爆撃機よりも「かなり広い」とジャマリは語る。「寝袋を持ち込む余裕もある」と述べ、交代で睡眠をとることも珍しくないとした。


ただし、コックピットは広めとはいえ「機械的な環境」であり、「パイロットにとって快適とは言い難い」とジャマリは評している。パイロットは飛行服、酸素マスク、ヘルメットを装着し、「非常に不快な射出座席」に座る必要があるという。

また、パイロットには長時間任務に備えた広範な訓練が必要であるとし、「実戦投入前には、24時間のシミュレーター飛行を行う必要がある」と語った。

国防総省当局者によると、機内にはトイレは設置されているが、バスルームは完備されていない。

B2の機体は「見た目以上に大きい」とジャマリは述べる。全高5.1メートルで、搭乗にははしごが必要。全長は21.0メートル、翼幅は52.4メートル、重量は約72.5トンに及ぶ。

B2は約30年前から運用されているが、その機体および運用方法に関してはいまだ多くが機密扱いのままだ。ジャマリは、B2は他の爆撃機と異なり、衛星やスパイからの情報漏洩を防ぐために特別設計された格納庫に保管されているという。

イラン核施設への空爆についてジャマリは「30年前の機体であるB2が、ステルス機能を備えた長距離爆撃機部隊の能力、性能、そして殺傷力がいかに重要であるかを実証した」と評した。

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