サウジ、イエメン南部の港を空爆 UAE部隊撤収を表明
イエメン南部のムカラ港で30日撮影の提供写真。Aden al-Mustakillah TV/Handout via REUTERS
Yomna Ehab Nayera Abdallah Hatem Maher Ahmed Elimam
[30日 ロイター] - サウジアラビアが主導する連合軍は30日、中東イエメン南部のムカラを空爆した。サウジは自国の国家安全保障は「レッドライン(超えてはならない一線)」だと強調し、アラブ首長国連邦(UAE)に24時間以内に軍を撤収するよう要請。UAEはこれを受け、イエメンに残っていた部隊を撤収すると表明した。
イエメン大統領評議会のアリーミ議長はテレビ演説で、UAEがイエメン南部の分離派「南部暫定評議会」(STC)に対し、軍事的エスカレーションを通じて政府に反抗し国家の権威を弱めるよう指示したことが確認されたと指摘。UAEとの防衛協定を破棄したと発表し、同国がイエメンの内紛をあおっていると非難していた。
サウジ主導の連合軍はハドラマウト州ムカラ港で「外国の軍事支援」を標的とした限定的な空爆を実施した。同連合はSTCに対し、東部ハドラマウト州で軍事的な動きを控えるよう警告。南部の分離派による今月上旬の攻撃により、UAEが支援するSTCはサウジの支援を受けるイエメン政府軍と対立し、両国はこれまでになく全面的な衝突に近づいていた。
連合軍報道官は、UAEのフジャイラ港から到着した2隻の船が27日と28日に同連合の許可なくムカラ港に入港し、追跡システムを無効にし、「(STCを)支援」するために大量の武器と戦闘車両を降ろしたと述べた。
サウジ国営メディアは連合軍報道官の発言として、ハドラマウト州とアルマフラ州の民間人を保護するようアリーミ氏から要請を受け、同連合の空軍が30日早朝、荷降ろしされた武器や車両を標的に限定的な空爆を行ったと伝えた。
サウジ国営メディアによると、ムカラ港への攻撃による死傷者や巻き添え被害はない。





