最新記事

新型コロナウイルス

自粛警察、梨泰院クラブ、セレブのSTAY HOME 新型コロナが暴く日米韓の国民性

2020年5月9日(土)21時14分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

芸能人を槍玉に挙げる韓国

韓国でクラスターと言って思い浮かべるのは、感染番号13番の女性である。新天地イエス教会という新興宗教の信者であり、彼女の布教活動によってさらに感染者を増やすこととなってしまった。

このことから、魔女狩りのように信者と疑われる人の名簿が作成され、ネットを中心にばら撒かれた。だが、そこに書かれていたのは芸能人などの著名人だ。信者でもないにも関わらず名簿に名前が載っていたIVYやイ・ドンウクなどの被害者は、事務所が無関係であることを発表する事態にまで至った。

さらに、最近では芸能人がSNSで少しでも家から外出した写真をアップすると、誹謗中傷のコメントが殺到する現象が起きている。タレントのオ・サンジンは、4月26日自身のインスタグラムに「一人でプール」というコメントと共に、誰もいないプールサイドからの写真を載せると、一般人からの悪質なコメントが多く寄せられ、すぐに削除することとなった。

続いて、27日にはタレントのパク・チユンが家族で旅行に行ったことをインスタグラムに写真と共にアップし炎上した。多くの非難コメントに対しパク・チユンは「観光地を歩き回るのではなく、プライベートのコンドミニアムで私たちだけで過ごした。夫が職場に出勤するよりも安全だった」と反論し、さらにストーリーズには「最近、ああしろこうしろと言ってくる人が多い。 自分の人生に不満があるなら自分でどうにかしなさいよ。 他人の人生を干渉する前に」とコメントを載せさらに反感を買うこととなってしまった。

この騒動は、パク・チユンの夫であるKBSアナウンサーのチェ・ドンソクにまで被害が及ぶこととなる。KBSのニュース番組「ニュース9」のアンカーを務めるいわば看板アナウンサーのチェ・ドンソクに対し、KBS公式ホームページ掲示板には、彼への抗議文と番組降板要請の書き込みが殺到するようになり、ついにパク・チユンは釈明文を掲載し謝罪した。

ジェジュンに対して処罰要求

他にも、歌手のガヒはインドネシア・バリに居住中なのにもかかわらず、韓国に帰国するとの報告に不快感を示した人々から非難が相次ぎ、さらに帰国後2週間の自宅謹慎期間中に息子と林で遊んでいる写真をSNSにアップし炎上した。また、歌手のコ・ジヨンは、家族で漢江の河原に遊びに行った時の写真をインスタグラムに載せたところ「外出は控えろ!」という批判が殺到してしまった。

韓国では芸能人のSNS管理が日本よりも甘いのか、炎上が多く発生している印象だ。4月のエイプリルフールにはJYJのメンバー、ジェジュンが、SNSに「僕はコロナに感染してしまいました」という笑えない嘘の投稿をし、批判が殺到した。その後「他人事ではない」というメッセージを伝えたかったという釈明と謝罪文を公表したが、世間の目は冷たく韓国政府が運営するオンライン目安箱ともいえる国民請願に「ジェジュンを処罰してほしい」という請願まで上がった。


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染36人確認 7日連続で100人以下
・ロックダウンは必要なかった? 「外出禁止は感染抑制と相関がない」と研究結果
・新型コロナ規制緩和の韓国、梨泰院のクラブでクラスター発生
・コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当局の科学者「恐ろしい」
・新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(9日現在)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国外為当局と年金基金、通貨安定と運用向上の両立目

ワールド

香港長官、中国の対日政策を支持 状況注視し適切に対

ワールド

マレーシア、16歳未満のSNS禁止を計画 来年から

ワールド

米政府効率化省「もう存在せず」と政権当局者、任期8
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中