最新記事
健康

よく寝たはずなのに疲労感、「あの食品」のせいかも...「睡眠の質を下げる」食べ物が最新研究で判明

Everyday Food Might Be the Reason You Sleep So Badly

2025年8月3日(日)18時31分
ルーシー・ノタラントニオ
睡眠の質を下げ悪夢の原因になる食べ物

Kmpzzz/Shutterstock

<食物過敏症がある人などは就寝前に特定の食品を摂取することで悪夢を見て睡眠の質が下がったり睡眠回避行動につながったりするとの研究結果が>

寝る前に特定の食品を摂ることでお腹を壊したり、悪夢を誘発したりする可能性がある──モントリオール大学の研究者らによる調査で、食物とアレルギーと睡眠に強い関係があることが明らかになった。

研究者らは、乳糖(ラクトース)不耐症と不快な夢との間に強い相関関係があることを発見した。これは夜間の胃腸の不調が睡眠を妨げ、それによって夢の内容にも影響が及ぶせいだと考えられる。

「悪夢の深刻さは、ラクトース不耐症や他の食物アレルギーと明確に関連している」と、今回の研究論文の筆頭著者であるントリオール大学のトーレ・ニールセン教授は述べている。この研究は心理学専門の学術誌『Frontiers in Psychology』に掲載された。

「今回の新たな発見は、食物過敏症のある人が食習慣を変えることで悪夢を軽減できる可能性があることを示している。また、よく『乳製品を食べると悪夢を見る』と言われる理由も、これで説明できるのではないだろうか」

米農務省農業研究サービス(ARS)が2017〜18年に行った調査によると、2918人の成人のうち約68%が、単体または料理の材料としてチーズを毎日摂取していた。チーズには口内環境の改善や、カルシウム摂取量を高める効果があるとされるが、摂取のタイミングには注意が必要かもしれない。

「食べた物が睡眠に影響するのではないか」という疑念は古くからあったが、科学的な証拠はこれまで乏しかった。そこでニールセンと研究チームは、カナダのマキュアン大学の学生1082人を対象に調査を実施。参加者には、睡眠の時間と質、夢の内容、食物と夢の関連性、自身の身体・精神の健康状態などについて回答してもらった。

日本
【イベント】国税庁が浅草で「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産登録1周年記念イベントを開催。インバウンド客も魅了し、試飲体験も盛況!
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア、イスラエルAI新興買収へ協議 最大3

ビジネス

ワーナー、パラマウントの最新買収案拒否する公算 来

ワールド

UAE、イエメンから部隊撤収へ 分離派巡りサウジと

ビジネス

養命酒、非公開化巡る米KKRへの優先交渉権失効 筆
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中