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「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量のカギは「ホルモン反応」にある

2025年7月21日(月)09時30分
メーガン・ラモス(臨床研究者・〈ザ・ファス ティング・メソッド〉共同設立者)

もしカロリー数に大きな差があれば、結果は変わってくるのだろうか。カロリーが同じなら何を食べても結果は一緒だというのなら、炭酸飲料を飲んで暮らしていても、キットカットを食べて暮らしていても―体重は減るはずではないのか。

もちろん、そんなことはない。体が食べ物を代謝する仕組みはもっと複雑なのだ。


 

同じカロリーのふたつの食べ物を食べても、その食べ物の成分次第で、ホルモン反応は大きく異なる。炭酸飲料に含まれる糖類は血糖値を急激に上げ、膵臓に多量のインスリンの分泌をうながす。

一方、アーモンドに含まれるたんぱく質と脂質を摂っても、そうした反応は起こらない。アーモンドを消化しても、血糖値はわずかに上がるだけだ。

つまり、犬は犬でもたくさんの種類の犬がいるように、カロリーはカロリーでもその内容によって体の反応は違うということだ。

炭酸飲料を飲んだときとアーモンドを食べたときでは、ホルモン反応や代謝反応がまったく異なるので、太るかどうかも変わってくる。また、体の機能は、それこそ血糖値から体温まで、すべてホルモンによって統制されている。

「摂取カロリーと消費カロリーが同じであれば太らない」という仮説は、脂肪細胞はホルモンによって統制されていないと言っているも同然だ。

体のすべてをホルモンが統制しているのに、脂肪細胞だけ統制されていないということがあるだろうか。この考え方はまったく意味をなさない。

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