WTO、EUと中国の知財紛争巡り一部判断覆す

世界貿易機関(WTO)の上級委員会の代わりとなる「多数国間暫定上訴仲裁アレンジメント(MPIA)」は21日、中国がWTOの知的財産権を巡るルールに違反したと主張するEUの訴えを棄却した前回判断について、一部を覆した。ジュネーブで2021年9月撮影(2025年 ロイター/DENIS BALIBOUSE)
[21日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)の上級委員会の代わりとなる「多数国間暫定上訴仲裁アレンジメント(MPIA)」は21日、中国がWTOの知的財産権を巡るルールに違反したと主張するEUの訴えを棄却した前回判断について、一部を覆した。
EUは2022年、中国が高速大容量規格「5G」などのモバイル技術についてWTOの規則に違反していると提訴。これに対しWTOの紛争処理小委員会(パネル)は今年4月、EUの訴えを退けた。ただ、中国がWTOの透明性義務の全てを順守したわけではないとも指摘した。EUはMPIAに上訴した。
MPIAは21日、中国の裁判所が訴訟差止命令で、特許保有者による中国国外での特許権行使を禁止したのは、特許権に関する「貿易関連知的所有権(TRIPS)協定」に反していると判断。前回のパネルの一部判断を覆した。中国に対し、措置是正に向け90日間の猶予を与えるとした。