英政府借入額が予想超える増加、インフレで連動国債の利払い拡大

7月22日 英国家統計局は22日発表したデータによると、6月の公的部門の純借入額は計207億ポンド(278億8000万ドル)だった。写真は英ポンド紙幣。2022年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
William Schomberg
[ロンドン 22日 ロイター] - 英国家統計局が22日発表したデータによると、6月の公的部門の純借入額は計207億ポンド(278億8000万ドル)だった。予算責任局が3月に示した予想の171億ポンドを上回った。
6月としては過去2番目の大きさとなった。ロイターがまとめた市場予想は165億ポンドだった。
4月のインフレ指標が高水準となり、インフレ連動国債の利支払いが押し上げられている。
6月の政府債務の利支払いは164億ポンドで、1997年に月次統計が始まって以来、3番目の大きさになった。
政権は財政再建の目標達成に向け、予算案に増税を盛り込む見込みだ。
KPMG・UKのシニアエコノミスト、デニス・タタルコフ氏は「福祉政策に関する最近の方針転換と成長への逆風継続により財政目標とのギャップが生じ、秋の予算でさらなる増税や支出削減が必要になる可能性がある」と述べた。
統計局のデータによると、4月に始まった今会計年度の当初3カ月は445億ポンドの財政赤字となっており、予算責任局(OBR)の想定より50億ポンド大きくなっている。
インベステックの英国担当チーフエコノミスト、フィリップ・ショー氏は「今年度の財政状況はこれまでのところ非常に失望させられるものであり、リーブス財務相が歳入を増やす措置の可能性を調査することはほぼ間違いないだろう」と語った。
パンテオン・マクロエコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ロブ・ウッド氏によると、リーブス氏はおそらく200億ポンドの増税が必要で、これは昨年のパッケージの約半分の規模となる。