「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量のカギは「ホルモン反応」にある
カロリーがすべてではない
新しい患者が来たときには、まずこう言うことにしている。「減量するために食べないほうがいいと思うものを、ジャンクフード以外で5つ挙げてみてください」。
だいたいの人がパン、米、パスタ、じゃがいも、トウモロコシと答える。
その答えを聞いたうえで私は、こうした食べ物を食べるとたしかに太るけれど、どれも脂肪分とカロリー数は少ないのですよ、と話している。そう、太りやすいのにカロリーが少ないのだ。
そう聞くと、たいていの患者はとても驚く。でも、詳しい説明はあとにして、まずは、いままでに聞いたことのある栄養についての情報のほとんどは、まったくの間違いであるということを理解してもらうようにしている。そのあと、彼らにはもうふたつ質問をする。
「炭酸飲料1缶と一握りの生アーモンドの、どちらがより太ると思いますか?」
こう訊くと、患者は間違えるはずがないとばかりに、元気よく答える。もちろん炭酸飲料です、と。そこで、続けてこう訊く。
「一握りの生アーモンドは減量に役立つと思いますか?」
すると、ほとんどの患者が「役立つと思う」と答える。その答えを聞いたあと、肝心な質問をすることにしている。
炭酸飲料1缶は160キロカロリーで、太りやすい。一方、生アーモンドも同じ160キロカロリーなのに、減量に役立つ可能性がある。カロリーが同じなのに、結果が違うのはなぜだと思いますか、と。