ウラン濃縮放棄できず、核施設被害は深刻=イラン外相

イランのアラグチ外相は、米軍によるイラン核施設空爆を含む6月のイスラエルとの軍事衝突で深刻な被害が出たものの、イランは核濃縮計画を「放棄できない」と言明した。写真は6日、ブラジルのリオデジャネイロで撮影(2025年 ロイター/Ricardo Moraes)
Kanishka Singh
[ワシントン 21日 ロイター] - イランのアラグチ外相は、米軍によるイラン核施設空爆を含む6月のイスラエルとの軍事衝突で深刻な被害が出たものの、イランはウラン濃縮計画を「放棄できない」と言明した。
アラグチ氏は21日放映されたFOXニュースの番組で「確かに被害は深刻で、(稼働を)停止している。しかし、ウラン濃縮はイラン科学者たちの成果であり、当然ながら放棄することはできない。そして今、それ以上に、これは国家の誇りに関わる問題だ」と語った。また、被害状況は現在も評価中だと述べた。
イランは米国との協議に前向きだが、当面は直接協議は行われないとの見通しを示した。
イランの最高指導者ハメネイ師の健康状態は「良好」だとも述べた。
核施設攻撃前、イランと米国はオマーンの仲介で5回にわたり核協議を行ったが、ウラン濃縮をどの程度まで認めるべきかについて合意に至らなかった。イスラエルと米国は、イランが直ちに核兵器を製造できるレベルまでウラン濃縮を進めていると主張しているが、イラン側は民生目的だとしている。