メキシコ、米国による航空会社への制裁に正当な理由はないと主張

7月21日、メキシコのシェインバウム大統領は米政府からメキシコの航空業界に対する措置について正式な通知をまだ受け取っていないと述べ、そうした制裁に正当な理由がないと考えていると語った。写真は2023年9月、メキシコ市国際空港で撮影(2025年 ロイター/Henry Romero)
[メキシコ市 21日 ロイター] - メキシコのシェインバウム大統領は21日、米政府からメキシコの航空業界に対する措置について正式な通知をまだ受け取っていないと述べ、そうした制裁に正当な理由がないと考えていると語った。
米運輸省は19日、メキシコ政府がメキシコ市の発着枠を削減し貨物輸送航空会社に業務を他の空港に移転させる計画のため、米国の航空会社に影響を与えるとして対抗措置を取ると発表した。
ダフィー米運輸長官は声明で、2022年および23年に実施された空港を巡る決定に対する懸念が解消されなければ、メキシコの航空会社からの新たなフライト申請を拒否する可能性があると述べた。
また競争上の懸念に対処するため、デルタ航空とアエロメヒコの共同事業に対して与えられている独占禁止法の免除の撤回も提案するだろうという。
シェインバウム大統領は記者会見で「メキシコが首都の空港システムを変更したことで制裁を受ける理由は全くない」と述べた。
<USMCA見直しで駆け引き>
航空業界の独立系アナリストであるフェルナンド・ゴメス氏は、米国のより大きな狙いが米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しを控えて強い交渉位置を確保することにあると指摘した。
ゴメス氏は「米国は関税や移民問題の時と同じように、これを足掛かりにして影響力を高めようとしている」と語った。
USMCAは20年、1期目のトランプ米政権時の交渉で北米自由貿易協定(NAFTA)に代わって導入され、3カ国は6年後に合同で見直し作業をすることが義務付けられている。